トランプ氏、プーチン大統領に“脅し”?…電話会談は「作り話」と露側が否定のワケ 各国でトランプシフト【#みんなのギモン】
■2016年、トランプ氏の初当選時は?
近野解説委員 「当時の選挙は11月8日に行われました。プーチン大統領はその翌日の9日、トランプ氏に祝電を送りました。その内容を見ると、両国関係のあり方について『平等で互いの立場を尊重し、考慮することを基礎にした対話作り』と書かれています」 「さらに選挙6日後の14日、プーチン大統領とトランプ氏の電話会談が行われたとロシア側が発表し、中身にも触れています。改めて祝意を述べたことのほか『平等・相互の尊敬・内政不干渉の原則に基づいたトランプ新政権との対話に意欲を示した』というものです」 斎藤佑樹キャスター 「同じような内容を念押しで伝えているように見えますね」 近野解説委員 「『互いの立場を尊重』『平等』『内政不干渉の原則』などですね。(9日と14日の)2つの発表に共通して、こちらに口出ししないでほしい、というロシア側の意図がうかがえますよね」 「そもそも同盟国や友好国ではないので当然といえば当然ですが、アメリカから口出しされることをかなり警戒しています」
■ワシントンポストが報じた内容は?
近野解説委員 「翻って今回ワシントンポストで報じられた内容を振り返ると、トランプ氏はウクライナ侵攻を激化させないよう忠告したといいます。これはロシアにとって目下最大のテーマで、そこに口出しされているような内容です」 「しかもトランプ氏は、ヨーロッパには多くのアメリカ軍が駐留していると念押しもしたといいます。これは、ロシアに対するある種の脅しとも取れる内容ですよね」 「ウクライナ戦争をいつどんなふうに収めていくのか、トランプ氏がやんわりと脅しまでかけて注文を付けたという内容なので、これが事実なら、内政干渉をとにかく嫌うプーチン氏にとっては面白くない内容ですよね」 瀧口麻衣アナウンサー 「だから電話会談をなかったことにしたのでしょうか?」 近野解説委員 「そういう可能性がありますね。ロシア国内のことを考えても、自分の国の大統領がアメリカに意見されたのが事実だとすれば、お国柄からいっても、そのまま国民に伝えるわけにはいかない内容です」 「そして、ワシントンポストの報道をその通りだと認めるわけにはいかない理由としては、ウクライナとの前線で戦っている兵士の士気が下がる可能性もあります」 「今回否定したペスコフ報道官は、外国メディアの報道について事実関係を聞かれるたびにすぐ否定してしまう人らしいですが、このように振り返ると、それだけではない背景もありそうだなという気がします」