軍用車マニアはたまらない!? 大戦中の1942年に製造された“フォード製ジープ”をオークションで発見 フォード「GPW」ってどんなクルマ?
「GPW」という車名の由来とは?
2024年11月にロンドンで開催されたRMサザビーズのオークションに、1942年製フォード「GPW」トレーラー付きが出品されました。どんなクルマなのでしょうか。 【画像】ホンモノの軍用車! 大戦中に活躍したフォード製ジープを写真で見る(30枚)
1940年、自動車メーカーのフォード、ウイリス・オーバーランド、バンタムの3社は、軽くて頑丈な四輪駆動の偵察車のデザインを提案しました。 これは、アメリカが第二次世界大戦に参戦する連合国に支援と軍需物資を提供することを見越してのことでした。 この3案の中では、意外にもバンタムのバージョンが最も評判が良かったといいます。 ですが、アメリカ陸軍はバンタムには軍が要求する台数を生産する資金力も生産力もないことを見抜いていました。 それからすぐに各メーカーに対し1500台の初期発注が行われ、さらなる評価の結果、ウイリス製が選ばれました。 これが、現在はステランティスグループに属する「ジープ(Jeep)」のルーツとなります。 しかし陸軍は、より大量な生産能力を持つフォードへの発注も提案しました。 陸軍は、ジープが偵察車としての当初のコンセプトよりもはるかに優れた能力と適応性を示し、当初考えられていた数千台よりもはるかに多くの台数が必要になると考えていたからです。 結局、ウイリスのバージョンが選ばれ、最初の生産契約が結ばれたのは、兵器生産の責任者であったウイリアム. S. クヌッセン元GM製造主任中将の介入によるものでした。 それでもフォードは27万7896台もの大量注文を受けました。こうしてフォードが製造したジープは、「General Purpose Willys(汎用ウイリス)」を意味する「GPW」と命名されました。 今回出品された個体は、間違いなくミリタリーコレクターやマニアにアピールするでしょう。 軍用車らしいアーミーグリーンのカラーリングで仕上げられたフォードGPWには、斧、ハードケース、シャベル、牽引ロープ、円筒形のターレットマシンなど、軍用アクセサリーが多数付属しています。 この個体は1996年にオランダで登録されたことが知られており、その後すぐにデン・ハート フォード博物館に収蔵されました。 この博物館は、世界最大級のフォード車コレクションで有名でした。 ですが、2018年に同博物館が閉館したため、ディーン・クロンスバイン コレクションが付属の同色に塗られたトレーラーとともに取得しました。 その後このクルマは、委託者の入念に管理されたガレージで、他の時代の4×4とともに誇らしげに保管されていました。 アメリカの創意工夫と戦意高揚の象徴であるフォードGPWは、他の同様な軍用車のコレクターやマニアたちにとっても貴重な1台であることは間違いありません。 この1942年型フォードGPW トレーラー付きは、3万6800ポンド(1ポンド=198円として、約729万円)で売却されました。
Peacock Blue K.K.