【ホープフルS】決して派手な勝ち方をしなかった母と姉 メンバー屈指の良血馬がどんな走りを見せるか
[GⅠホープフルステークス=2024年12月28日(土曜)2歳、中山競馬場・芝内2000メートル] 「トライアルは負けるし、大きく差をつけて勝つこともない」 2010年に牝馬3冠を達成したアパパネについて、管理する国枝栄調教師は当時、そう言った。 実際、アパパネが2着につけた差はGⅠ桜花賞が半馬身、GⅠオークスはサンテミリオンと同着、GⅠ秋華賞が3/4馬身。他にもGⅠ阪神JFが半馬身でGⅠヴィクトリアマイルはクビ差だった。5度もGⅠを勝利したが、伯楽が語るようにいずれも大きく差をつけることはなく、2着につけた最大着差が4分の3馬身。際どい勝負をものにする勝負強い馬だったことが分かる。 そんな特徴は娘のアカイトリノムスメにも受け継がれた。同馬は21年のGⅠ秋華賞で母娘制覇を成し遂げるが、このときの着差が半馬身。他にもGⅢクイーンCを勝っていたが、このときがクビ差だった。母娘揃って、辛勝をものにするタイプだったわけだ。 さて、そんなアパパネの子供で、アカイトリノムスメの半弟となるアマキヒ(牡2・国枝)が28日のGⅠホープフルSに出走を予定している。戦績は1戦1勝で新馬戦を勝ったのみ。その着差はわずかアタマだったので、それほど人気になることはなさそうだ。しかし、そのデビュー戦で2、3着に破った馬がすでに勝ち上がっている点や、先述した通り「差をつけずに勝つ勝負強い血統」であることを考慮すると、簡単には見限れない気がするが、果たしてどうだろう?(平松さとし)
東スポ競馬編集部