<ここに注目>二松学舎大付と聖光学院、両エースによる投手戦か 選抜高校野球
◇第2日第3試合 二松学舎大付vs聖光学院 ともに春6回目の出場で、春夏の甲子園で初対戦となる。二松学舎大付の左腕・布施東海(3年)、聖光学院の右腕・佐山未来(同)の両エースによる投げ合いの様相で、ロースコアの好ゲームが期待される。 【熱血、スマイル…】センバツの歴史に名を刻んだ名将たち 二松学舎大付の布施は最速137キロの直球とカーブを軸に巧みな投球術で抑えるタイプだ。昨秋は東京大会の本大会全6試合に登板し、防御率2・23と安定感がある。救援の右腕・大矢青葉(2年)は本職は外野手ながら、球威があり、ピンチでも動じないマウンド度胸がある。打線は昨秋の打率がチームトップの5割4分2厘を誇る瀬谷大夢(3年)、「攻撃的な2番」での起用が予想される親富祖凪人(同)ら好打者がそろう。相手投手を早めに攻略し、先行逃げ切りを図りたい。 聖光学院の佐山は140キロの直球と、キレのあるスライダーやチェンジアップなど8種類の変化球を操り、相手打線に的を絞らせない。1年秋から公式戦のマウンドに立っており経験も豊富だ。攻撃面では、昨秋のチーム打率2割6分7厘は出場32校中31位。得点力が課題だけに、昨秋の東北大会で一度も盗塁を許さなかった強肩捕手の山浅龍之介(3年)とのバッテリーで粘りを見せたい。【大東祐紀】
二松学舎大付、悔しさをエネルギーに
昨秋の東京大会決勝の国学院久我山戦。2点リードの九回2死満塁から逆転サヨナラで敗れた。あと1人で優勝を逃し、左腕の布施東海(3年)は「詰めの甘さが出た。でも、あの負けでチーム全体が変わった」。悔しさをエネルギーに変え冬の練習に取り組んだ。 エースの布施は走り込みに加え、通常より約3メートル半も遠い22メートルの距離のブルペンで投げ込んで最後まで球の勢いが落ちないようになった。救援には球威のある右腕・大矢青葉(2年)、180センチ左腕の今井彪雅(3年)らが控える。 打線は8試合14打点と勝負強い瀬谷大夢(3年)、長打力のある小林幸男(同)、大矢が中軸を担うとみられ、1番の藤岡良祐(同)は俊足でバットコントロールに優れる。 負担を考慮し、冬に布施から小林に主将が代わった。過去5回出場のセンバツでは、市原勝人監督がエースだった1982年に準優勝。市原監督は「優勝した景色を選手たちに見せてあげたい」と意気込んでいる。