「ワクチン行き渡るまで」の3つの提言 尾身会長「この“Xか月”が非常に重要」
政府コロナ分科会の尾身茂会長は16日、記者会見し、「多くの国民にワクチン接種が行き渡るまでもう少しかかる」としたうえで、「一般の人が少しずつコロナ慣れということで疲れてきている。経済的に大変ダメージを受けた業者がおられる中で、今まで以上に国や自治体には汗をかいていただく必要がある」と述べた。具体的には、新型コロナウイルスの感染拡大以降、用いられてきた下水のサーベイランス、抗原検査などの技術を活用し感染の抑止や拡大防止をするよう政府に提言したことを明らかにした。
尾身会長は会見で、(1)感染の抑制(2)早期探知(3)感染拡大抑制――の3つに分けて実施すべき施策を語った。 (1)の感染の抑制では、ワクチン接種と二酸化炭素濃度測定器を活用した換気の徹底を、(2)の早期探知では、下水のサーベイランスを、(3)の感染拡大抑制では、積極的検査のためにPCR検査に加えて抗原検査キットを使うことや、大都市で感染経路が追えない割合を下げるために「QRコードみたいな」科学技術を用いることを、それぞれ提言した。 尾身会長は「1つ1つはそれほど目新しいことはないかもしれないが、こういうことを今回提言して、国、自治体にはICTやサイエンステクノロジーを使った対策を加速していただいて、いずれワクチンが(行き渡るまで)もう何か月か分からないが、このXか月が非常に重要。是非そういうことでお願いしたい」と述べた。