眠れる個人資産2,000兆円を動かす! SMBC日興証券の「ニーズを捉えたコンテンツ施策」
SEOとの出会いは「目からうろこ」。一気に走り出した施策
その解決策を求めていたときに、当時のマーケティング部長が、検索意図を分析できるツール「ミエルカSEO」と出合い、担当であったデジタルマーケティング部マーケティング推進課長・美根幸子氏に紹介。ミエルカSEOを提供するFaber Company(以下、Faber)の月岡克博から提案を受けたコンテンツマーケティングの仕組みに美根氏も共感したそうだ。 ┌────────── 当社のサイトには、証券取引の専門的なコラムがすでにたくさんありました。でも検索ニーズに応えるというSEO観点が抜けていた。だからお客さまが検索してもうまくヒットせず、口座開設などの行動につなげられていなかったのだと、月岡さんの話で目から鱗が落ちたのです。それまでインターネット集客というと、広告を掲載するイメージしかありませんでした。真摯に提案してくれる月岡さんへの信頼感もあり、やってみようと思いました(美根氏) └────────── その後、美根氏はハンズオンセミナー「ミエルカ大学」に参加。SEOを意識したコンテンツ作りの基礎を学んだ。
┌────────── 初めて検索キーワードからコラムを作るまでの流れを体験したら、本当に面白くて。「クリーニング」と検索するユーザーが知りたいのは、掃除のことか、服の洗濯なのか、方法を知りたいのか、業者を探しているのか、分析することができました。「必要なのはただ記事を書くことじゃない。ユーザーが求める検索意図を正しく読み解いて書くことだったんだ!」と納得しました(美根氏) └──────────
17本のコンテンツで累計560万PV。多くのお客さまに正しい情報を!
そこからの展開は速かった。2017年11月~2018年5月にかけて、「信用取引」「債券」「つみたてNISA」「FX」4つのジャンルに分け、立て続けにコラム17本を投稿した。これらのコラム経由のサイト流入は月560万PV以上になり、口座開設などのコンバージョンにも繋がっているという。 ┌────────── 丸5年、この17本のコンテンツは検索上位3位以内と高いパフォーマンスをキープしました。結果、コラムへの自然検索流入は2023年7月時点で累計560万PVにのぼっています(美根氏) └────────── ではここから、ユーザーの行動変容を後押ししたコンテンツ施策のポイントを具体的に見ていこう。 ■ ポイント1:書き方は初心者目線、質は専門家目線 検索上位の競合コンテンツを大量に見比べると、どの証券会社も構成は類似してしまう。投資信託やFXなど取り扱う商品が同じなので仕方ないが、こうなるとコンテンツの差がつくのはサイト来訪者への「プレゼンテーション」となる。 中身を読みたくなるディスクリプションなのか、コンテンツ導入部分にはどんな説明があるべきか、文よりも図にしたほうがいいかなど、考慮すべき事項はいろいろある。それらに対して「素人ゆえの気づきを活かしたほうが、結局は投資経験者にも読みやすく、評価されるはず」と判断し、Faberが美根氏に提案したのが、「ターゲットが投資経験者でも、初心者の目線で書き直す」ということだ。 それ以降、美根氏が発案、Faberが加筆・修正したコラムを証券アナリストなど専門部署でファクトチェックし、リリースする流れで制作、改善を続けた。