「なぜ、まだ今でもファームにいるのか」ソフトバンク王貞治会長が1軍デビューを待ち焦がれる21歳の現在地
◆ウエスタン・リーグ ソフトバンク―くふうハヤテ(3日、タマスタ筑後)=雨天中止 ソフトバンクの笹川吉康外野手(21)が覚醒の時を目指してファームで成長を続けている。 ■「えーっ!ラブラブですやん」柳田が夫人と2ショット【写真】 4年目の今季、ウエスタン・リーグではチーム最多に並ぶ13試合に出場して打率3割2厘、1本塁打。90試合で打率2割1分1厘だった昨季を大きく上回る。ここまでの成績については「まだ始まったばかりなので何とも言えない」と言いながらも「バットに当てることはできていて、三振は減っている」とうなずく。 昨季は73三振、今季はわずか5三振にとどまる。松山秀明2軍監督は「球を引っ張って上半身で打とうとするので、最近は『フライを打ってもいいよ』という話を打撃コーチとした。今はあまり上から上から(打とうとする)という感じではないと思う」と話した。 3月29日の阪神戦(タマスタ筑後)では待望の1号2ラン。「あのホームランくらいから、ようやく外野フライを打つようなイメージの感覚になってきた」と手応えを口にする。 31日の阪神戦(同)では、視察に訪れた王貞治会長兼特別チームアドバイザーが打撃練習を見つめた。〝ギータ2世〟と注目され続ける21歳について「今は調子がいいね。この前(29日)もテレビで見ていて、ライナーでホームランを打っていたね」と目を細めた。その上で「足も速いし、なぜまだ今でもファームにいるのかと思っている。とにかく早く(1軍に)上がってきてほしいね」と期待を込めた。 この日は試合が中止になったため、室内練習場で打撃練習に取り組んだ。「開きが早いので、癖を直そうと思って」とフォームの確認に時間を割いた。今季は、オフに柳田の自主トレに参加予定だったが、虫垂炎で1月1日から7日まで入院し、参加できなかった。春季キャンプはリハビリ組スタートで、途中からB組(2軍)に上がった。虫垂炎の影響などで8キロ落ちた体重もほぼ戻って95キロになった。 今季の目標を「1軍に行くこと。この調子をキープしていく」と力を込める。王会長の期待も背負い、デビューの日に向けてバットを振り続ける。(浜口妙華)
西日本新聞社