自民裏金問題で「もはや遠い昔」 ウクライナ電撃訪問、日銀総裁交代、G7広島サミット… 岸田首相の「激動の2023年」を振り返ってみた
21日には岸田首相がウクライナを電撃訪問した。首都キーウでゼレンスキー大統領と会談し、連携強化を打ち出した。首相は地元・広島県の必勝祈願のしゃもじを贈呈したが、この振る舞いが適切だったのか、後に議論となった。 ▽4~6月:首相の演説会場に爆発物。回復基調の支持率は長男問題で暗転 4月1日、こども家庭庁が発足した。深刻化する少子化への対策をはじめ、虐待や貧困など各省庁にまたがる多様な課題に一元的に取り組むとしている。 9日、日銀総裁に経済学者の植田和男氏が就任した。2013年3月の就任以降、アベノミクス推進の中核を担い、在任期間が歴代最長となった黒田東彦氏から10年ぶりに交代した。 岸田首相にとって悪い出来事もあった。15日に選挙応援で訪れた和歌山市の街頭演説会場に爆発物が投げ込まれたのだ。首相にけがはなかったが、2022年7月の安倍晋三元首相に続く要人襲撃は社会を揺さぶった。
5月19~21日にかけ、G7広島サミットが開催された。アメリカのバイデン大統領らG7首脳は、原爆資料館を史上初めてそろって訪問。岸田首相は議長国記者会見で「核兵器のない世界」実現という理想をG7で共有したと意義を強調した。ウクライナのゼレンスキー大統領も来日した。 サミット前、ウクライナ電撃訪問などで内閣支持率は回復基調にあった。4月29、30両日の共同通信の全国電話世論調査で支持率は前月比8・5ポイント増の46・6%。サミット効果でさらなる上積みを期待する向きもあった。 だが、終了から間もない5月27、28両日の調査は、横ばいの47・0%。6月には40・8%へ下落した。マイナンバーカードを巡るトラブルの続出や物価高に加え、首相秘書官だった首相の長男・翔太郎氏の行動に批判が集まったことが要因とみられる。 週刊文春によると、翔太郎氏は2022年12月、親族らと忘年会を開催。赤じゅうたんが敷かれた階段で記念撮影を行った。首相が記者会見で使う演説台で親族とみられる男女がポーズを取る写真もあった。