福田師王、高卒即ドイツ挑戦の現在地。「相手に触られないポジションで頭を使って攻略できたら」
待望のデビュー戦、出場時間は約15分。地元紙の評価は…
そんな福田がU-23からオフィシャルにトップチームのトレーニングに呼ばれるようになったのは2024年1月。そして1月27日に行われた第19節レバークーゼンとのアウェイ戦でメンバー入りを果たすと、79分にMFクアディオ・コネと交代でピッチに足を踏み入れた。待望のデビュー戦だ。 出場時間はアディショナルタイムを加えて約15分。終了間際にMFロコ・ライツのスルーパスで抜け出すと、相手のクロアチア代表DFヨシップ・スタニシッチと激しく競り合いながら、コーナーキックを獲得。このシーン以外、大きく目立った活躍があったわけではない。そんな福田のデビューについて、地元紙ライニッシェポストは次のようにポジティブな評価をしていた。 「短い出場時間ながら2.25キロを走り、鋭いダッシュを見せ、競り合いで戦う姿を見せ、味方に正確なパスを送った。試合後、ローランド・ビルクス チームマネージャーは報道陣にこう答えている。 『シオ・フクダのように、何人かの若い選手を起用しなければならない状況だったことは確かだ。だが、これこそ我々が歩もうとしている道。若い選手に出場機会を与え、経験を積んでもらうことが大事なのだ』 ビルクスが言うように、今回福田に出場機会が訪れたのは、主力選手の欠場があったという背景もある。いずれにしてもボルシアMGにおいて401番目のトップチームで出場した選手となった」
「ブンデスは速いし、でかいし、強い。頭を使って攻略できたら…」
神村学園高校からドイツへ飛び込み、日々の取り組みで急速な成長を見せている。U-20ワールドカップでは世界との差を感じたというが、所属クラブでU-19からU-23、そしてトップチームへと活躍の場を移しつつある中で、今はどこにトップとの違いを感じているのだろう? 第23節ボーフム戦後にミックスゾーンで、今の心境について語ってくれた。 「ブンデスは速いし、でかいし、強い。素晴らしい選手がたくさんいるので、頭を使って攻略できたらなというふうに思います。一瞬で相手を外して、足元でパッてもらって前向いてシュートとか、そういうところですね」 激しく巧みなフィジカルコンタクトに負けない肉体作りもそうだし、不利な状況にならないポジショニングや体の向きを試行錯誤しながら取り組んでいることを明かし、狙うは「賢いプレーの連続」だという。 「相手に触られないようないい中間ポジションを取って、相手が『誰が当たればいいのか』わからないぐらいのポジションに立つということを常に頭に入れてやっています。ぶつかった時も負けないように今鍛えています。成長段階ですね」 各国代表選手が数多くプレーするリーグだ。駆け引きも体の使い方もハイレベル。自分では相手のマークを外せたと思っていても、次の瞬間にはさっと寄せられてしまうこともある。それこそ油断をすると一気に距離を詰められてボールを奪い取られ、さらに上位チーム相手となると頭で認知してから反応していては遅いくらいのスピードでプレッシャーが矢継ぎ早にやってくる。福田も同意する。 「寄せは速いっすね。シュッて詰めてくるし、体をぶつけて、死に物狂いでくる。やりがいあります。(成長すべき点は)全然まだまだありますよ。もっと頭を使って、背後に抜けるのもそうですし、(中盤に)落ちてもらうっていうのも。ボールを収めるのがそんなに得意じゃないので、そこもレベルアップしていけたらなって思います」 日々の努力はピッチ内だけではない。たとえ試合に出場できなくても、アップをしながらすぐ近くで鋭く狡猾な動きを見せるFW陣に視線を注ぐ。ピッチでプレーする選手の動きをつぶさに観察し、自分のものに取り込もうと貪欲だ。 「どのチームのFWも見てますね。特にレバークーゼン、バイエルン、ライプツィヒあたりはどのチームのFWもよく見ています。どういう動きをしてるのか、ボール持ってない時にどんなふうに考えてプレーしているのかを考えながら見ています」