幻の『童夢』実写版も! 貴重なパイロット映像を集めた映画祭が開催
映画やアニメ作品のパイロットフィルムに特化した映画祭<渋⾕パイロットフィルムフェスティバル>が開催されることが発表された。12月14日(土)に渋谷PARCOが手掛ける映画館<CINE QUINTO>にて実施される本映画祭では、全20作品の上映に加え、⽚渕須直や久野遥⼦、叶精⼆など多彩なゲストを迎えたトークも実施される。 【関連画像】貴重な上映作品の場面カットをみる!(画像28点) パイロットフィルムとは、映画や番組を製作するまえに、テストとして作られる映像のこと。企画書や脚本だけでは掴みきれない映像としての魅力を伝わりやすくし、制作チームや製作資本を集めるために活用される。 そんなパイロットフィルムだけを集めた異色の映画祭が開催決定。 イベント開催の背景には、パイロットフィルムを「『この映画を作りたい!』という作り⼿たちの情熱がもっとも凝縮された、⼀番刺激的な映画の原⽯」だと考えた川村真司(『HIDARI』監督)と栗林和明(『KILLTUBE』監督)の両名が、なかなか一般の目に触れる機会のないパイロットフィルムを観ていただきたいと考えたことが発端だということだ。 上映作品には、パイロットフィルムこそ制作されたものの、実際の作品は完成に至らなかった「幻」の作品や、公開日がまだ決まっていない作品などもあり、貴重な映像群を見られるまたとない機会になるのは間違いない。 映画祭自体は、パイロットフィルムの上映およびゲストによるトークを組み合わせた6本のプログラムと、20作品の映像のみを一挙上映する<全作品上映>による、計7プログラムで構成される。 上映作品のうち、実際に完成に至らず「幻」となった作品は、『童夢』『ユキの太陽』『リトル・ニモ』、そしてシネスコ版の『ルパン三世』。 そのうちの『童夢』は、大友克洋による漫画作品で、『AKIRA』の下地とも呼べるような独特なスタイルによって漫画業界に衝撃を与えた一作。極秘に進められた同作の実写版が上映されたのは昨年の新潟国際アニメーション映画祭が初めてであり、今回も貴重な鑑賞機会となりそうだ。 他にも、宮崎駿が初めて「監督」として取り組んだことで知られる『ユキの太陽』、そして往年の東映動画の流れを汲む近藤喜文と友永和秀の両氏による『リトル・ニモ』、1971年のテレビアニメ化以前にシネマスコープ・サイズでの劇場公開を目指して制作された『ルパン三世』など、豪華なラインナップが発表された。 「幻」となった企画だけでなく、進行中の企画に関しても、岩井澤健治の最新作『ひな』や片渕須直の最新作『つるばみ色のなぎ子たち』をはじめとした超豪華なラインナップとなっている。 上映時間こそ短いけれど、作り手の熱意にあふれた貴重なパイロットフィルムたちを楽しむことのできるこの特別な機会を、ぜひお見逃しなく。 (C)Bandai Namco Entertainment Inc. (C)2013 MASH・ROOM / DOMU COMMITTEE (C)TMS
アニメージュプラス 編集部