「タクシーの寿命」なぜ長い? 自家用車の約4倍も“長持ち”!? 過酷な使われ方をしてるのにガンガン走れる理由とは?
タクシーの寿命は驚異の40万km!?
一般的な自家用車の寿命は、走行距離の目安が約10万kmであるのに対し、タクシーは約40万kmとされており、自家用車の4倍ほど多く走行しているといわれています。 毎日のように乗客を乗せて走るという過酷な使われ方をしているタクシーですが、なぜ自家用車よりも“長持ち”するのでしょうか。 【画像】「えっ…!」これが個人でも所有できる「タクシー」です! 画像を見る(24枚)
タクシーが長持ちする理由のひとつとして、日常点検や法定点検などのこまめなメンテナンスがあげられます。 日本交通の担当者にタクシーの稼働状況を聞いてみたところ、一人の乗務員が帰庫してから数時間後には次の乗務員が同じ車両で乗務しているとのこと。そのため、タクシー車両はほとんどの時間を営業に使用している計算になります。 日本交通では日常の運行前点検と合わせ、道路運送車両法により定められた法定点検も行なっているそうです。 道路運送車両法(定期点検整備)第48条によると「自動車の使用者は、次の各号に掲げる自動車について、それぞれ当該各号に掲げる期間ごとに、点検の時期及び自動車の種別、用途等に応じ国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を点検しなければならない」と定められています。 タクシーは事業用車に分類され、法定点検は3か月・12か月ごとに行なわなければなりません。 クルマは定期的に車検を受けることが義務付けられていますが、法定点検と車検の大きな違いは、点検項目や目的です。 車検は検査時点において、自動車の構造や装置などが道路運送車両法に定められている保安基準に適合しているか、一定期間ごとに国が必要最小限チェックする検査です。 それに対して、法定点検はクルマが故障なく快適に走れるかどうかを確認するもので、タクシーのように事業に使用する場合は保安基準に適合するよう維持しなければならず、そのため、日常点検整備と定期点検整備が義務づけられています。 法定点検の項目は、自家用車の12か月点検が29項目なのに対し、タクシーなどの事業用車の3か月点検では51項目、12か月点検では101項目もあります。 事業用車の点検項目にはブレーキのきき具合やタイヤの状態、ホイールナット・ボルトの緩みなどが加わっています。 このように、タクシーは自家用車に比べてこまめなメンテナンスを受ける機会が多いことから、長持ちするというわけです。 なお、自家用車の場合は法定点検を実施しなくても罰則はありません。事業用車で3か月点検を実施しなかった場合には、30万円以下の罰金が科せられます。