厚生連病院、際立つ初動 能登地震被災地へ 翌日DMATの5~8割
能登地震発生の翌日 DMATの5~8割
能登半島地震の被災地に全国の医療機関から派遣される災害派遣医療チーム(DMAT)。厚生連病院からの派遣が、特に地震発生直後に際立っていたことがJA全厚連の調査で分かった。発生翌日はDMAT全体の5~8割、3日後でも3割が厚生連病院からで、被災者の救急医療や健康支援の初動対応に貢献。全厚連は、派遣された医師らの声を聞き取り、今後の災害対応にも生かす方針だ。 DMATは、災害発生時に救急対応できる訓練を積んだチーム。医師、看護師ら5人程度で構成し、災害発生時に県や厚生労働省DMAT事務局を通じて要請を受け、現場に駆けつける。 能登半島地震での派遣は延べ1000隊を超えている。このうち厚生連病院からは72隊396人(2日正午時点)が派遣された。 特に目立つのが、初動での派遣割合だ。災害発生後72時間を超えると生存率が大幅に下がるとされるなど、発生直後の人命救助や医療提供の体制が災害対応の大きな鍵になる。 厚生連病院災害拠点病院やDMAT登録医療機関のうち5%程度災害拠点病院やDMAT登録医療機関のうち5%程度。一方で、全厚連の調査によると、DMATのうち、厚生連病院からの派遣が占める割合は、地震発生翌日の1月2日午前10時時点で83%、午後2時で56%。72時間が迫る4日午後4時時点でも30%超を占めるなど、初動対応の早さが目立っている。 全厚連は、派遣された医師や看護師らから意見を聞き取り、今後の災害対応への課題を探る方針だ。
日本農業新聞