早稲田大、村上春樹さんに名誉博士号を授与 あいさつに会場から笑い
早稲田大は17日、作家の村上春樹さん(75)に名誉博士の学位を授与した。東京都新宿区の早大大隈記念講堂で行われた贈呈式で、村上さんは田中愛治総長から学位記などを受け取った。 1960年代末~70年代初めの大学紛争時に早大に在学した村上さんは「ありがたいが、不思議な気もする。僕はひどい学生で、授業には出ないし勉強はしないし、(学生運動で)暴れ回って迷惑を掛けたのに、名誉博士号を授与するとは随分太っ腹な大学だ」とユーモアを交えてあいさつ。学生やファンら約1000人の来場者の笑いを誘った。 また、過去に海外の大学から六つの名誉博士号を受けたが、日本では初めてだと紹介。「もし早大に来なかったら、小説を書いていなかったんじゃないか。人生のサイクルが一回りした感じがする」とも述べた。 村上さんは75年、早大第1文学部卒。79年に小説「風の歌を聴け」でデビューした。作品は50を超える言語に翻訳され、海外での評価も高い。2021年には早大に国際文学館(村上春樹ライブラリー)が開館した。【大井浩一】