「祈りの空間としてデザイン」観音堂が世界で評価…奈良・聖林寺
聖林寺(奈良県桜井市)の観音堂が、「世界3大デザイン賞」の一つ、「iFデザインアワード2024」を受賞した。観音堂の受賞は「照明デザイン賞」「AACA賞」「アジアデザイン賞」に続いて4度目。
観音堂は、日本彫刻の最高傑作とされる国宝・十一面観音菩薩立像を安置するため1959年に建てられたが、老朽化で2021年から改修し、22年8月に一般拝観を再開。ドーム形の天井で、免震のガラスケースに像を納めている。 iFデザインアワードは1953年、工業製品や建築を対象として、ドイツにあるデザイン振興のための国際組織「インダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーファー(iF)」が創設。今回、72か国から1万800点の応募があった。 デザインを担当した「栗生明+北川・上田総合計画」(東京)の北川典義社長は「美術品の収蔵庫ではなく、祈りの空間としてデザインした。国内外から評価されてうれしい」。倉本明佳住職は「祈り、鑑賞、安心・安全と三つがそろったお堂。世界的な賞を受賞できたのも、観音さまのお力のなせる業です」と喜んでいる。