トーマスの次は“金色タヌキ”と“開運切符” 赤字に悩むローカル鉄道が珍企画「縁起をもって帰って」【静岡発】
静岡県の大井川鉄道は「きかんしゃトーマス」号やSLで観光客に人気だが、2022年の台風による土砂崩れで一部区間の不通が続いている。その大井川鉄道が無人駅の「タヌキ駅化計画」を始めた。シンボルは金色に輝くタヌキだ。開運切符も発売し、「縁起を持って帰って」とPRしている。 【画像】トーマスの次は“金色タヌキ” 赤字ローカル鉄道の珍企画は化ける?
タヌキの置物70体が出迎え
熊崎結萌アナウンサー: 静岡県を代表するローカル線の1つ、大井川鉄道の新金谷駅にやってきました。沿線の駅に可愛くて縁起のいいスポットがあるということで、早速行ってみたいと思います 静岡県中部の島田市と川根本町を結ぶローカル線・大井川鉄道。 「きかんしゃトーマス」号やSLなどの観光列車、それに湖の上の無人駅もあり、地元の人だけでなく家族連れや鉄道ファンからも愛されている。 そんな大井川鉄道で今話題となっているのが、金色のベースに赤い文字で書かれた看板が目立つ「神尾駅」だ。 熊崎結萌アナウンサー: 神尾駅に下りてきました。大井川も望むことができて、とてものどかな無人駅ですよね。見てください、タヌキがたくさん並んでいます 駅を降りると出迎えてくれたのはタヌキの置物。駅の周りには様々な種類のタヌキが並んでいる。この神尾駅にはもともとタヌキの置物が置かれていたが、大井川鉄道では2024年1月からタヌキの置物を増やす「タヌキ駅化計画」に取り組んでいる。
名物車掌のレガシーを苦境に活用
計画の発端は45年ほど前にさかのぼる。 きっかけをつくったのはSL列車の初代専務車掌を務めた石原〆造(しめぞう)さんだ。石原さんは乗客への案内が好評で、チップをもらうことも多かったそうだ。チップを多くの人を楽しませるために使おうと考え、神尾駅に信楽焼のタヌキの置物を置いて乗客の目を楽しませた。 一方、大井川鉄道は2022年に台風で大きな被害を受け、2024年5月時点でも一部区間で運休が続いている。コロナ禍で売り上げも落ち込む中で台風が追いうちをかける形となった。 こうした中で何かできないかとスポットを当てたのが神尾駅のタヌキの置物だ。 大井川鉄道広報室・山本豊福 次長: 今までどうしても我々はSLが中心になり、この神尾駅にはSLが停車しないので存在としては“二の次”になってしまうところがあった。そうした“二の次”の駅でも見せ方によっては人を寄せる材料になるのではということで、このタヌキにもう一回スポットを当ててやってみることにした