放射性医薬、開発・投与の新施設 愛知、藤田医大セラノスティクス
藤田医科大病院(愛知県豊明市)は、放射性物質を含む医薬品の開発や患者への投与を一体的に行う国内初の施設「セラノスティクスセンター」の本格運用を5月から始めた。がんやアルツハイマー病などで患者を効率的に診断し、治療することが期待できるとしている。 放射性医薬品は、体内で特定の臓器や組織に集まる性質がある。患者に投与した薬から出る放射線を利用して、CTやMRIの検査では見つけにくい深部にあるがんを発見したり、がん細胞を死滅させたりすることができる。 アルツハイマー病の原因とされる有害タンパク質「アミロイドベータ」の蓄積も放射性医薬品を投与し陽電子放射断層撮影(PET)で確認可能で、製薬大手エーザイなどが開発した早期段階向けの新薬「レカネマブ」投与に向けた診断につなげることができる。 センターには放射性医薬品のもとになる放射性同位元素を製造する「サイクロトロン」や、核種から医薬品を作る装置を設置。同じ建物内で、製造した医薬品を用いて患者の診断と治療も行う。