膝の痛み… 放置せずすぐ受診すべき症状とは? 放っておくと歩行困難になる恐れも!?
変形性膝関節症を放置することのリスク
編集部: 変形性膝関節症を放置すると、どのようなリスクがあるのですか? 渡邉先生: 変形性膝関節症の症状は初期から末期まで分類されます。変形性膝関節症初期では立ち上がりや歩き始めなど、何か動作をするときに違和感や軽い痛みを感じるようになります。 しかし、休めば痛みがなくなるのでこの頃はまだ病気を自覚していない人も少なくありません。 変形性膝関節症中期になると正座をしたり、階段を昇り降りしたりするのが困難になってきます。ただし、個人差が大きく、変形性膝関節症初期でもひどい痛みを感じる人もいます。 編集部: さらに進行するとどうなるのですか? 渡邉先生: 変形性膝関節症が進行していくと膝の変形が目立つようになり、膝がまっすぐ伸ばせず、歩行が困難になることもあります。 また、「平地を歩くのも痛い」「O脚またはX脚になる」「膝が腫れる」「歩行時に片足をひきずってしまう」「ゆっくりしか歩けない」といった症状が見られることもあります。 編集部: O脚やX脚になることもあるのですね。 渡邉先生: 日本人は遺伝的にO脚の方が多く、O脚の方は変形性膝関節症が進行していくと膝の内側にある軟骨がすり減ってしまい、よりO脚が進んでしまいます。 逆に、欧米人はX脚になりやすいのですが、日本人も少ないとはいえX脚で外側の軟骨が擦り減ってしまう方もいます。 編集部: 変形性膝関節症はどうやって診断するのですか? 渡邉先生: 「普段痛みが出る部位、膝を押して痛みがないか」「関節の可動域」「腫れの有無」「O脚またはX脚の有無」などを触診によって調べます。 また、X線(レントゲン)検査や超音波検査を行うほか、できる限りMRI検査を行うことで、軟骨や半月板、靱帯の損傷などがないか確認します。 編集部: なぜ、MRI検査が必要なのですか? 渡邉先生: X線検査や超音波検査だけでは、軟骨や半月板、靭帯などの傷み具合を正確に評価することが難しいため、MRI検査はできる限り撮ることをお勧めしています。