日鉄とUSスチール「法的権利守る措置講じる」、米政府の買収阻止受け
[東京/ワシントン 3日 ロイター] - 日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り、両社は3日、「法的権利を守るために適切な措置」を全て講じると表明した。バイデン米大統領が買収計画を阻止する決定を下したことを受け、共同で声明を発表した。 両社は「米国で事業を遂行することを決して諦めない」とした上で、日鉄と組むことがUSスチールの競争力にとって「最善の方法だと確信している」と強調。「日米政府関係者を含むステークホルダーと引き続き緊密に連携し、法的権利を守るためのあらゆる措置を追求する」とした。 バイデン大統領が買収計画を阻止すると決めたことは、「政治的な思惑のためになされたもの」だとし、米国憲法上の適正な手続きや対米外国投資委員会(CFIUS)を規制する法令に明らかに違反していると指摘。国家安全保障問題に関する証拠を提示しておらず、「明らかに政治的な判断であることを示している」とした。 両社は、CFIUSの審査にも真摯(しんし)に応じてきたと説明。「審査プロセスが、政治によって著しく適正さを欠いていたことは明白」とし、「同盟国である日本国をこのように扱うことは衝撃的であり、非常に憂慮すべきこと」と非難した。他の同盟国に拠点を置く企業が対米投資に消極的になるとも指摘した。 日鉄とUSスチールが共同声明を発表するのに先立ち、日本経済新聞は両社が米政府を相手取り訴訟を提起する方針を固めたと報じた。日鉄はかねてから、買収が阻止された場合は法的措置を取る可能性を示唆してきた。