「AIガバナンス」管理ツールを提供、スイス新興のカルヴィン・リスク
AIの安全な導入方法に関心を寄せる業界が増えている
だが、規制当局の監視が強まる中、AIの安全な導入方法に関心を寄せる業界が増えている。例えば、カルヴィン・リスクはドイツの航空会社ルフトハンザの子会社であるルフトハンザ・インダストリー・ソリューションズと提携し、製薬や通信などの分野の顧客との協業を始めている。 カルヴィン・リスクのソリューションに対する評価は上々だ。AIの責任ある利用に取り組んでいる非営利団体Hub France IA(ハブ・フランスIA)は、最も優れた銀行向けAIリスク管理ツールとしてカルヴィン・リスクのソリューションを選び、また金融リスク管理サイト「リスク・ドット・ネット」が優れたリスク管理のプロダクトに贈る賞も今年受賞した。 投資家もカルヴィン・リスクの将来性に大きな期待を寄せている。今回の資金調達ラウンドはジョイン・キャピタルとシード・プラス・スピード・ベンチャーズが主導し、カルヴィン・リスクが2022年以降に調達した総額は500万ドル(約7億7000万円)を超えた。 ジョイン・キャピタルの創業パートナーであるトビアス・シルマーは「強力なチーム、そして明確なビジョンと相まって、革新的なアプローチを取っているカルヴィン・リスクは、AIコンプライアンスとリスク管理の複雑さに対応している組織にとって不可欠なリソースとなる位置につけている」と指摘。「AIガバナンスの未来を形成する上でカルヴィン・リスクが極めて重要な役割を果たすと確信しており、同社の今後の展開を支援できることをうれしく思う」と話した。 シード・プラス・スピード・ベンチャーズの投資家でマネージングパートナーのアレクサンダー・ケルピンは「学術界の素晴らしい研究と業界の深い専門知識の組み合わせにより、カルヴィン・リスクはAIベースのビジネスプロセスを用いたり構築したりするすべての企業にとって真の助けとなる」と評価した。 今回調達した資金をもとにカルヴィン・リスクは事業開発や市場開拓を進める。特に金融サービス部門への浸透を図り、他業界への進出も目指す。リーバルチュによると、現在は会社の規模拡大に注力しているという。
David Prosser