チームスプリントで銅メダルを獲得した（左から）長迫吉拓、太田海也、小原佑太

　【デンマークバレラップ八手亦和人】自転車トラック種目の世界選手権第１日は１６日、当地で行われ、男子チームスプリントはパリ五輪と同じ長迫吉拓（チームブリヂストンサイクリング）、太田海也（日本競輪選手会）、小原佑太（同）で挑んだ日本が銅メダルを獲得した。予選は３位、１回戦はコロンビアに勝利し、３位決定戦ではパリ五輪２位の英国を破った。また、中距離では女子スクラッチの垣田真穂（早大）が１２位、男子４０００メートル団体追い抜きの日本は１７日にドイツと３位決定戦に臨む。 　　　　◇ 　５位に終わったパリ五輪のチームスプリントから２カ月余り。同じ３人で挑んだ世界選手権でメダルをつかんだ。過去にこの大会のこの種目で表彰台に立った日本チームはない。３位決定戦で破った英国はパリ五輪メンバーとは異なっていたとはいえ、歴史を作り、日本の進化を証明するメダルとなった。短距離エースであり、要の第２走が担当の太田は「相手メンバーを見て最低限メダルだと思ってやっていた。自分たちの力からも納得の走りができた」と素直に喜んだ。 　誰よりも安心したのは最年長の長迫だろう。世界トップクラスの第１走のスペシャリストながら、パリ五輪では１回戦のスタートでタイヤがスリップするタイムロス。地元フランスに敗れてメダル獲得の可能性が消えた。誰よりも辛い経験を経てきただけに「五輪を除けばタイムもいい。それを３本そろえられた」と胸を張った。 　このメダルは３人の心をつなぎ留める意味でも大きい。第３走の小原は「僕のラップタイムがもう少し良ければもっと上のメダルを取れていた。でも世界選手権で取れなければ五輪でメダルなんて言えない。次の五輪への一歩を進められたと思う」と悔しさをにじませながらも前を向いた。３人が目指す先は一つ。この銅メダルは最高の励みになるはずだ。