百万石行列スムーズに 演技5→4回に減 混雑防ぎ安全確保
●来年6月 国際都市にふさわしく 来年6月6~8日に開催される第74回金沢百万石まつり(北國新聞社特別協力)で、実行委は、メイン行事の百万石行列の演技回数を、5回から4回に見直す。行列が遅れることでまちなかが大混雑することが背景にあり、スムーズな進行で混雑解消や観客の安全確保につなげる考えだ。海外の観光客が増え、北陸新幹線敦賀開業で一段の入り込み増が見込まれる中、国際都市「金沢」にふさわしい百万石まつりのあり方を探る。 【写真】第74回金沢百万石まつりのポスター ●新企画で魅力多彩に 金沢市の金沢商工会議所会館で2日に開かれた会合で、実行委が来年の概要を説明した。 関係者によると、百万石行列の演技は例年5回となっているが、各団体の演技時間に差が出るなどして、行列の進行が滞る状況がみられる。昨年は、行列の顔となる前田利家公役が金沢駅を出たのは予定より約20分遅れた。 駅周辺では利家公役を見るために多くの観衆が想定以上に長くとどまり、行列の動きが途中で止まる場面もあった。金沢城公園までの沿道が混雑する要因となり、地元の見物客をはじめ、今後、国内外の観光客が一段と増えることが予想されることから、対応が必要と指摘する向きもあった。 こうした状況を解消するため、実行委は行列の演技の回数を4回に減らす。新型コロナの影響があった2022年に、感染拡大を防ぐ目的で演技を4回にしたところ、5回の時に比べて行列が約15分早く進んだ実績があるという。 来年のまつりでは、まつりの魅力を多彩に表現するために新たな取り組みも盛り込まれた。再開の要望が多かった浅野川の加賀友禅燈ろう流しは、22年以来3年ぶりに復活させ、夜の金沢を情緒深く演出する。 ●新幹線10周年の横断幕が先導 能登半島地震からの復興に向けた企画として、百万石行列にキリコ巡行を組み込む方向で珠洲市と調整している。金沢城公園内で開催される加賀百万石「盆正月」では、能登の伝統芸能団体の出演や応援ブースの出展を企画する。百万石行列の先導隊は、北陸新幹線金沢開業の10周年記念横断幕を掲げる。 会合では来年のポスターが披露された。前田利家公役の俳優石原良純さん(62)、お松の方役の北乃きいさん(33)が11日に都内で会見する。百万石行列は来年6月7日、前日の同6日に加賀友禅燈ろう流しが行われる。