「ウインカーレバーもない」車内 6年目の大型アプデ テスラ・モデル3 RWDへ試乗
去年まで英国の販売チャートで上位を維持
去年まで、英国の販売チャートで存在感を示していた4ドアサルーンのテスラ・モデル3は、2023年に入り急減速。今年は、販売数のトップ10から滑り落ちている。 【写真】登場6年目の大型アプデ テスラ・モデル3 RWD 競合クラスのEVは? 人気のモデルYも (123枚) そのかわり頭角を現しているのが、コンパクト・クロスオーバーのモデルY。英国では5位にランクインし、バッテリーEVの普及へ貢献している。ブランド自体の人気は、高いままのようだ。 プレミアムモデルの場合、新しいイメージやテクノロジーが大きく売れ行きへ影響する。登場から6年も過ぎれば、注目度が下がっても不思議ではない。 テスラは一般的な自動車メーカーのように、新鮮味を改善する定期的なアップデート・サイクルを選んでいない。継続的に改良を加えるという、独自のスタイルを取ってきた。しかし、メジャーアップデートを加える時期だと判断されたようだ。 スタイリングにも手が加わり、フロントノーズは僅かに低くなった。ヘッドライトもシャープになり、全般的にアグレッシブな見た目になったと思う。 テスラによれば、改良後のボディは空力特性も向上し、空気抵抗を示すCd値は0.22に留まるという。ボディパネルの隙間は、従来より縮まりバラツキがなくなったように見える。製造工程も、改められたのだろう。
従来以上にミニマリスティックな車内
インテリアは、従来以上にミニマリスティック。徹底的に整頓され、潔癖症的な雰囲気すら漂わせる。 ダッシュボード中央のタッチモニターは、15.4インチへ拡大。センタートンネル部分の小物入れは大きくなり、スマートフォンのワイヤレス充電機能も実装する。間接照明は色味を選べ、リアシート側にも8.0インチのタッチモニターが据えられた。 ステアリングコラムには、1本のレバーすら備わらない。ウインカーはステアリングホイール上のタッチセンサーで灯し、ワイパーはタッチモニターへ触れて動かす。 この変更で、製造コストが多少縮まったことは間違いないだろう。だが、カーブの先にある交差点や、夏場の突然の雨で、アタフタしそうに思えるのは筆者だけだろうか。この決定には、疑問を抱かざるを得ない。 車内は広く開放的で、外光も沢山降り注ぐ。ダッシュボードの位置が低く、前方視界は良好。後方はトランクリッドのエッジが高く、若干見にくい。 荷室容量は僅かに増え、594Lある。床下には、充電ケーブルをしまうのにちょうどいい収納が用意されている。フロントにも、88Lの通称「フランク」も備わる。実用性は間違いない。 モデル3には、システムオンのボタンもない。ドアロックを解除し、運転席に座れば準備完了。タッチモニター上に描かれる、シフトセレクターのグラフィックをスワイプしたら、後はアクセルペダルを傾けるだけだ