爆撃で片足を失った少女「なんで私がこんな目に」…ウクライナやガザ地区の実態を報告 岩手出身のフォトジャーナリスト、越谷で「平和展」 母を津波に流され、悲しみの捉え方を再考…平和の問題と向き合う
世界の紛争と人道危機について考えようと、埼玉県の越谷市は16日まで、市役所エントランスで「平和展」を開いている。世界の紛争地や被災地の実態を伝えるフォトジャーナリスト佐藤慧さんが10日、講演した。 ウクライナ出身の神職、埼玉・上里から切な願い
佐藤さんは岩手県出身。フォトジャーナリストとしてアフリカや中東、東日本大震災被災地の取材活動を通じて、平和や貧困の問題を伝える。講演では中東シリアやウクライナ、ガザ地区の実態を報告した。 シリアではIS(イスラム国)の占拠に端を発する紛争がいまだ続いている。トルコからの爆撃で片足を失った少女は佐藤さんに「なんで私がこんな目に遭わなくてはいけないのか」と伝えたという。 ヨルダン川西部地区ジェニーでは、一日中イスラエルによるドローンの監視が行われ、ロケット弾が飛んでくるという。インフラが破壊され、一般市民が殺害される日々が繰り返されているという。 佐藤さんがアフリカ滞在中、東日本大震災が起きた。佐藤さんの母は津波に流され、父も母との死別に苦しみ数年後に他界した。佐藤さんは家族との死別から悲しみの捉え方を再考し、平和の問題と向き合っている。 佐藤さんは「政治的、地政学的な観点から見るだけでは解決しない。一人の人間が生きていくこと、(命が)奪われるということ、身近な人を大切にするというところから平和を考えたい」と述べた。
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