ワンオペで産後うつに。ベランダで「今死んでもなんにも感じないな」と思った私。助けを求めたけれど…【体験談】
起業への夢と、共感の声が心身回復の助けに
――高橋さんご自身が、産後ケアホテルの必要性を実感したんですね。 高橋 作りたい!という一心で、2022年の4月、インスタグラムに自分の思いと「産後ケアホテルを札幌に作りたいんです。かなえるために協力してくださる方がいたらDM(ダイレクトメッセージ)ください」と投稿しました。 私のインスタは、よくある育児アカウントでフォロワーも数十人というもの。それが、すごい反響で一気に何百人と増え、DMも200件くらい届いて。 私と同じように、育児で悩んで、ケアを求めているママがたくさんいるのがわかって。同時に、ママを応援する活動をしている方が、札幌にたくさんいることも知ることができましたね。 そこから、少しずつ発信を始め、今一緒に運営をしている助産師の荒木に出会い、本格的に開業に向けて活動をスタートしました。 ――それまでのうつ状態は、かなり深刻だったと思いますが、開業の夢を持つことで変化があったのでしょうか。 高橋 本当だったら、どこかに相談してカウンセリングを受けるべきだったと思います。でも、自発的に相談に行こうと考える余裕が正直なかった…。産後うつは周囲のフォローが大切だといわれますが実際そのとおりだと、当時を振り返ってみて強く感じます。 自分がつらい思いを経験して、周囲に気づかれず手遅れになってしまわないように、ママが救われる場所を作れたら…という思いと、それに賛同してくれる人がたくさんいる、ということが、私の気力になって、活動を始めてから徐々に前向きになりました。それは幸いだったと思います。 取材・文/ムトウハルコ、たまひよONLINE編集部 多くのママのニーズを感じ、産後ケアホテル開業という夢への第一歩を踏み出した高橋さん。第2回のインタビューでは、その奮闘と現在の活動についてうかがいました。 ●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。 ●記事の内容は2024年5月の情報であり、現在と異なる場合があります。
高橋奈美さん
PROFILE 産前産後ケアホテル Cocokara代表 2021年に1人目を出産。ワンオペ育児により、産後うつを経験。その経験から産後ケアホテル立ち上げを決意し、活動を開始。副代表を務める助産師の荒木美里さんとともに、札幌市内で産後ケアホテルの常設をめざす。
たまひよ ONLINE編集部