マイコプラズマ肺炎の大流行続く…抗菌薬効きにくいタイプ6割、専門家「別の薬で治療できる」
子どもを中心に流行するマイコプラズマ肺炎について、国立感染症研究所は12日、3日までの1週間に全国約500の医療機関から報告があった患者数は1医療機関あたり2・46人(速報値)だったと発表した。現在の調査方法となった1999年以降で最多となった前週の2・49人のほぼ横ばいとなり、大きな流行が続いている。専門家は「治療薬が効きにくいタイプが6割近くに上り、感染拡大の一因となっている」と指摘している。 【図】一目でわかる…マイコプラズマ肺炎とは
マイコプラズマ肺炎は「肺炎マイコプラズマ」と呼ばれる細菌に感染することで引き起こされる。発熱や長引くせきなどが表れ、多くは軽症だが、一部で重症化したり、心筋炎などを合併したりする。治療には「マクロライド系」という種類の抗菌薬が使われる。
川崎医大の調査では、今年1~9月に全国7医療機関で採取された細菌を解析したところ、マクロライド系が効きにくい耐性菌が56%を占めた。同大の大石智洋教授(臨床感染症学)は「薬を2~3日飲んでも解熱しなければ、再度受診してほしい。耐性菌でも別の種類の抗菌薬を使えば治療できる」と話している。