LIXIL、循環型低炭素アルミ形材量産拠点を国内外5工場に拡大
LIXILは4月、循環型低炭素アルミ形材の量産工場を国内外5工場に拡大する。同アルミ形材の開発当初は小矢部工場(富山県小矢部市)のみだったが、需要拡大に伴い量産準備を現在進めている。15日現在で販路は大成建設やセブン―イレブン・ジャパンに広がっており、今後も同形材の導入企業は広がる見通しだ。 同社は2022年12月、原材料の70%にアルミリサイクル材を使った循環型低炭素アルミ形材「プレミアルR70」を発売。昨年10月にはリサイクルアルミ使用比率100%の「プレミアルR100」の受注を開始した。今後販路を広げ、30年度には形材製造におけるリサイクルアルミの使用比率を100%まで引き上げたい考え。 同社によると、アルミ原料製造時のCO2排出量は新地金がキロ当たり10キロであるのに対し、リサイクル材はその3%の同0・3キロ。ユーザーは同形材を採用することでエンボディードカーボン(建物建築時のCO2排出量)を低減できるのに加え、循環型社会の実現にも寄与できる。 環境負荷軽減への関心が建設業界などで高まる中、同形材の採用例も増えている。大成建設は研究管理棟のサッシ材料としてプレミアルR70を国内のビル建材として初めて採用。今後プレミアルR100の導入も検討している。セブン―イレブン・ジャパンはプレミアルR70を埼玉県三郷市の店舗に初導入した。「まだ発表段階にはないが、採用を進めている企業はある」と同社は説明する。 スクラップ原料の調達網も広げようとしている。LIXILでは今後、大成建設とセブン―イレブン・ジャパンと連携し、建物・店舗の解体で発生したアルミスクラップを、建材向けリサイクル材として再利用する「水平リサイクル」の実現を目指す。 発売当初、小矢部工場のみだった生産工場は、販路拡大を受けて下妻工場(茨城県下妻市)、有明工場(熊本県長洲町)、タイ工場(パトゥムターニー県)、ベトナム工場(ドンナイ省)が続々量産・立ち上げを進めている。「4月には国内外5工場で量産体制が整う」と同社は説明する。