専門医が回答!「生理前の頭痛、これってPMSですか?」
女性の体に関する“もやもや”を専門家に尋ねる連載企画。今回のお悩みは生理前の頭痛。産婦人科医の松村圭子先生に、PMSの見極め方から原因。対処法までを詳しく聞きました。 【画像】生理のお悩み、おすすめショーツほか
Q. 30代に入ってから、生理前に頭痛を感じるように。これがPMS?急に来るようになった理由は? 「学生時代や20代はこれと言って生理にまつわる悩みは感じたことがありませんでしたが、30代に入ってから生理前の頭痛を感じるようになりました。これがPMSなのかな?と思いましたが、大人になってから急に始まることもあるのでしょうか。原因や痛くなる仕組み、対処法について知りたいです」(33歳・IT系) A. 生理の始まりとともに軽快すれば、PMSの可能性が高いです。頭痛の主な原因は自律神経の乱れ。規則正しい生活を心がけて! まずPMSとは、生理前の3~10日間ほど続く精神的・身体的症状を指します。頭痛は主な症状のひとつであり、生理が始まってすぐに軽快する場合は、PMSの可能性が高いでしょう。 PMSの原因は解明されていない部分もありますが、ひとつは自律神経の乱れだと言われています。そもそも自律神経には交感神経と副交感神経があり、それらがバランスよく働くことで心身の健康が保たれます。生理前に女性ホルモンが急激に変動すると自律神経のバランスがくずれて、頭痛や肩こり、手足の冷えなど、様々な不調をきたす、というのがPMSの仕組みの一例です。 ちなみに、心身のストレスや体の冷え、睡眠不足なども自律神経が乱れる要因に。そういった外的要因による影響がPMSの時期に重なれば、症状は悪化します。相談者さんのように以前はなかったPMSが生じたという人は、生活習慣を振り返ってみてください。規則正しい生活を継続し、生理前はとくに心身をいたわることを意識すれば、徐々に症状が軽減するはずです。 頭痛を和らげるために鎮痛剤を服用する人は多いですが、実は、少し注意が必要。PMSによる頭痛は、緊張型頭痛と片頭痛の2つに分けられます。緊張型頭痛であれば問題ないのですが、片頭痛の場合は専用治療薬でないと効きにくく、鎮痛剤を服用し続けると、さらに痛みを誘発してしまうこともあるんです。我慢できないほどの痛みがあり、かつ、鎮痛剤の効果を感じられないときは、頭痛外来を受診することをおすすめします。 ■私たちが日常で実践できること リズムのある、規則正しい生活を! 「交感神経が優位な日中に活動し、副交感神経が優位な夜間はリラックス。自律神経の働きに沿った生活を送ることで、PMSの症状を最小限に抑えられます。早寝早起きがベストですが、難しい場合は起床時間を一定にするなど、生活にリズムをつくってください」 ●教えてくれたのは 産婦人科医 松村圭子先生 2010年に成城松村クリニックを開業。院長として、婦人科診療とエイジングケアの最先端治療を行う。『女性の悩みはFemtechで解決! オトナ女子のためのカラダの教科書』(宝島社)、『女性ホルモンを整えるキレイごはん』(青春出版社)など、著書も多数。 イラスト/green K 取材・原文/中西彩乃 ※BAILA2024年8・9月合併号掲載