トランプ氏襲撃直後の“写真”が物議…女性隊員不要論も? 専門家「これをネタに『女性の警備能力が低い』と直結させるのは乱暴」「一部が十分な能力を有していないという懸念は事実」
「身長はどうにも埋まらない部分で、それは男性でも同じだ。一番大事なのは、危険を早めに見つけ出したり、躊躇せず行動に移せる能力。体力や筋力面で女性が見劣りしてしまうのは仕方ないが、“女性は一般的に背が低いから”という批判は的外れだと思う」 では、男女で恐怖心の違いなどはあるのか。「民間の警備だと女性は圧倒的に少なく、それを実感するほど関わったことはないが、世間で言われているような“女性は男性よりも我慢強い”ということはあるのではないか」とした上で、「男女の機会平等以前に、警備には女性が必須だといってもいい。現場は常に欲しがっているが、増えていないのが現状だ」と述べた。
■不審者覚知の情報も…警備のあり方は?
銃撃の1時間前から警察が不審な容疑者に気付いていたという報道などもあり、現場の警備体制に批判が出ている。五島氏は「相手が犯行に着手できた時点で、警備は失敗している。不審者の情報が事前に上がっていた中で、真剣に取り扱わなかったのではないか、指揮官がうまく捌けていなかったのではないか、指示を待たずに確認に行けば取り押さえることができたのではないか、などはいろいろ考えられる。厳重に見える警備の隙間、それぞれの心の隙間をすり抜けた印象がある」との見方を示す。 今回、容疑者とみられる男がいたのは、演説会場から約125mの場所。スナイパーによる狙撃の最長距離は3kmを超えるともされる中、警備体制はどう敷けばいいのか。「確実性を考えると、それほど長い距離は犯人側もやりづらい。警備側もそういう見積もりはしつつ、現実的な距離で線引きをして体制を敷く」と説明。
現場の役割分担は、シークレットサービスが集会現場内の安全確保、地元警察(州警察など)が周辺エリアの安全確保を担当していたとされる。「人員不足よりも連絡の不備や、前述した認識の違いでエラーがあったのではないか。現場に人をうじゃうじゃ配置しても、味方撃ちや警察官同士の誤認が発生してしまうので、人数はすっきりさせたほうが良い結果を生む場合も多い」とした。