「第二次世界大戦」「大東亜戦争」と何が違う? 12月8日に開戦した「太平洋戦争」とは
1941年12月8日(日本時間)、日本軍が米・ハワイの真珠湾などを奇襲し、太平洋戦争が開戦しました。どのような戦争だったのでしょうか?
1941年12月8日、日本軍は英領マレー半島と米・ハワイの真珠湾を奇襲しました。これをきっかけとして米国、英国、オランダ、オーストラリアなどの「連合国」と日本との間で戦われた戦争が「太平洋戦争」と呼ばれています。また、近年は戦闘が行われた地域をより具体的に示すために「アジア太平洋戦争」と呼ぶこともあります。 日本軍は開戦から半年で東南アジアのほぼ全域と太平洋の広い地域を勢力下におきました。しかし、ミッドウェー海戦(42年6月)やガダルカナルの戦い(42年8月~43年2月)などで敗れ、劣勢になっていきます。 44年秋ごろからは連合国による日本本土への空襲が本格化します。45年3月10日の東京大空襲では一晩で10万人が犠牲になりました。さらに、8月6日に広島、9日には長崎に原爆が投下されました。そして、昭和天皇が降伏を決断します。日本は14日に米英中首脳による降伏勧告(ポツダム宣言)を受諾。翌15日に終戦を迎え、3年8か月におよんだ戦争が終わりました。
「第二次世界大戦」「大東亜戦争」と何が違う?
「太平洋戦争」と似た文脈で使われる言葉として「第二次世界大戦」「日中戦争」「大東亜戦争」「15年戦争」などがあります。それぞれ、どのように違うのでしょうか? (1)第二次世界大戦 米英などの「連合国」と、日本・ドイツ・イタリアを中心とする「枢軸(すうじく)国」が対立し、欧州からアジア太平洋地域まで巻き込んだ世界規模の戦争です。1939年9月のドイツによるポーランド侵攻から1945年8月に日本が降伏するまでの6年間を指します。太平洋戦争は第二次世界大戦に含まれるという見方をされるようです。 (2)日中戦争 1937年7月に中国・北京郊外の盧溝橋(ろこうきょう)で起きた日中両軍による衝突から始まった日本と中国の間で起きた戦争です。41年12月に日本が米英に宣戦布告して太平洋戦争を始めてからはその中に含まれ、日本のポツダム宣言受諾まで続きました。 (3)大東亜戦争 戦時中の日本では太平洋戦争のことを「大東亜戦争」と呼んでいたのです。当時の東条英機内閣が閣議決定したことに由来します。日本は、欧米による植民地支配から脱却し、東アジアの民族による共存共栄を意味する「大東亜共栄圏」の建設を唱えて戦争に突入しました。戦後は、米国が名称づけた「太平洋戦争」に表現が統一されました。 (4)15年戦争 1931年9月、日本軍による中国東北部への侵略戦争(満州事変)が始まりました。それから、日中戦争、太平洋戦争を経て45年の敗戦まで続いた一連の戦争の総称として「15年戦争」が使われます。