阪神・岡田彰布顧問 藤川新監督に“岡田節”でエール「1年先のこと考えとったら野球なんかできへん」
阪神の岡田彰布前監督(66)が6日、大阪市内の阪神電鉄本社を訪れ、「オーナー付顧問」として11月1日からの3年契約を交わした。CS敗退が決まった10月13日以来の会見となった岡田顧問は、V奪還を託した藤川新監督のサポートを約束。「1年先のこと考えとったら野球なんかできへんって。だから一喜一憂したらあかんて」と、“岡田節”で後任指揮官へエールを送った。 ユニホームを脱いでも、猛虎に向ける眼光は変わらない。「オーナー付顧問」という球団初の新たな肩書を背負う岡田前監督。今後、秋季キャンプを訪れる予定だが「指導なんかせえへん。指導料もろうてへんもん(笑)」とジョークを飛ばしつつ、藤川新監督には早速、豊富な経験をもとに金言を向けた。 「今日良かった、明日あかんのんちゃうかなとか、そんなんしとったら1年持たんて。こんなもんやろと思って、ずっと過ぎていったらええんよ」。指導経験のない後任者に伝えたいのは、一喜一憂の無意味さ。猛虎の指揮官という計り知れないプレッシャーがかかる立場でも、「こんなもんやろって思ってたもんが、めっちゃようなってるよ。それが積み重ねの継続やんか」と泰然自若で構える必要性を説いた。 船出を迎えたばかりの藤川阪神を「まだまだ長いでと思うけどな(笑)。そんな慌てるというか、まだまだそないして、判断するのはまだまだ先やからっていうのがな」と長い目で見守る心積もりだ。ただ、照準を合わせるべきタイミングは決まっている。「やっぱり3月の一番大事な時期に、ベストな形で持っていくというかな」とシーズン開幕が最初の勝負どころと指摘した。 「ある程度勝てるというか、そういう戦力というか、それは作ってスタートしないと。選手も、よし今年はなんかいけそうやという、ムードを持って、そういう気持ちの中でスタートせなあかんと思うよ」。前指揮官として示した、V奪還に必要なシーズンの入り方。「そらまあキャンプとかオープン戦見て、ファンも今年はまたいけそうやなとか、そういうチームを作ってスタートするということやで」と念を押した。 CS前から優れなかった体調は「うん、だいぶいい、だいぶいい」と順調に回復へ向かっている。シーズン中の甲子園へ足を運ぶ頻度については、「そんなん全然決めてないよ。いや、別に」としながらも、「ビジターも行くよ。(沖縄の春季キャンプも)いや行くよ、そら」と予告した。藤川新監督をサポートしつつ、覇権奪回へ向けて自身も鋭く目を光らせる。