【横山杯】前橋育英、習志野に競り勝ち2連勝 習志野は悔しい敗戦
横山杯第25回全国ユース招待サッカー大会第3日は12月27日、茨城県神栖市で各カテゴリーの順位別リーグが行われ、ファイナル進出を争う決勝第1グループの前橋育英(群馬)と習志野(千葉)の対戦は、前橋育英が3-2で競り勝って2連勝とした。 【フォトギャラリー】前橋育英vs 習志野 4-2-3-1システムの前橋育英は、予選第4グループを9得点・5失点の3連勝で首位通過した。CB市川劉星(2年)が正確なロングフィードを見せれば、ボランチの中川希汐(2年)は相手ボールを奪ってはサイドに好パスを送って好機を演出した。 予選第5グループを9得点・3失点で首位通過した習志野は、3-5-2の布陣でロングパスとサイドアタックを中心に攻めた。 前半は両チームとも多くのビッグチャンスはなく、一進一退の攻防戦を展開。前橋育英は15分、左SB水野楽生のクロスをFW山西智也(ともに2年)が狙ったもののGKの正面。習志野は終了直前、FW武田耀正(2年)が右から放ったループシュートが左ポストに弾かれ、絶好の先制機を逸してしまう。好機はそろって1度ずつとゴール前の見せ場が少ない前半だった。 ところが後半に入ると、一転してシーソーゲームになった。 8分にゴール前でトップ下の立石陽向(1年)が、激しく重圧を掛けて敵ボールを奪ってから左足で先制点を奪う。しかし習志野も16分、トップ下の中渡瀬統貴(2年)が軽やかなドリブルでペナルティーエリアに進出すると、相手に倒されてPKを獲得。これを自ら沈めて同点にした。 だが前橋育英は20分、右から持ち込んだ山西が、逆サイドのネットに突き刺し再びリードを奪う。しかし習志野は27分、右FKから2人を経由してつないだボールを、最後はFW中曽根和輝(2年)がヘッドで決めてまたしても追い付く粘りを見せた。 2-2の引き分けと思われた34分、劇的な決勝点が生まれる。 水野の左スローインを山西がヘッドでそらし、ボールを受けた中川が右足で強烈なミドルシュートをゴール左上に突き刺したのだ。 前橋育英はこの日の第1試合で東海大翔洋(静岡)に4-0で快勝し、習志野も横浜創英(神奈川)を3-2で下していた。勝ったチームが優位に立つが、引き分けでもファイナル進出への可能性は十分だった。 それだけに習志野にしてみれば土壇場で貴重な勝ち点を失った格好だ。2度目の同点弾を決めた中曽根は、「そうなんですよ。本当にもったいなかった。勝てれば一番良かったのですが、あの状況なら引き分けて明日の東海大翔洋戦に勝って結果を待つこともできたので悔しいですね」としきりに残念がった。 (文・写真=河野正)