【税務調査】「自営業に税務調査は来ない」⇒油断すれば“痛い目”に。個人の追徴課税額「平均100万円超え」という事実【税理士が解説】
税務調査は法人だけでなく、確定申告をしている個人も調査の対象となります。実際に税務調査を受けた場合、支払うこととなる追徴課税はどのくらいになるのでしょうか。個人が税務調査の追徴課税の平均額はいくらになるのか? また、追徴課税となりやすい事例や、追徴課税となってしまった場合の対処法について、税理士法人松本が解説します。
税務調査の追徴課税で支払う平均額は?
税務調査で支払うこととなった追徴課税の平均額はいくらなのか、国税庁が発表している令和4事務年度の調査実績から解説します。 ■所得税1件あたりの平均追徴額は約219万円 令和5年11月に国税庁から発表された「令和4事務年度・所得税及び消費税調査等の状況」によると、令和4事務年度の1件あたりの調査による追徴課税は約219万円となっていました。前年度の平均額256万円の85.5%となったものの、調査件数自体は前年比約1.5倍と、増加傾向となっています。また、個人の消費税の税務調査による追徴課税の平均額は132万円となっており、所得税と合わせた場合、税務調査1件あたり平均約351万円が追徴されていることがわかります。 ■「税務調査に選ばれやすい職種」がある 税務調査はすべての業種が調査対象となりますが、過去の統計から税務調査で多額の不正や申告漏れなどが発覚しやすいとみなされる業種については、他の業種よりも積極的に税務調査が行われています。 令和4事務年度における税務調査において、1件あたりの申告漏れ所得金額が大きかった業種としては ●経営コンサルタント ●くず金卸売業 ●ブリーダー ●焼肉 ●タイル工事 が上位5業種として挙げられていました。 このほかにも、過去申告漏れの所得税額が大きい業種としてはバーやキャバクラ、風俗店などの水商売、システムエンジニア、冷暖房設備工事業などが挙げられます。 なお、令和4事務年度の実地調査による追徴課税額は1,015億円、簡易な接触(自発的な申告の見直しなどを電話や書面で進める調査)による追徴税額は353億円となっており、合計1,368億円と過去最高額を更新しています。 ※参照:国税庁『令和4事務年度 所得税及び消費税調査等の状況』(https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/shotoku_shohi/pdf/shotoku_shohi.pdf)