向井理が表現する“狂気”がドラマに波乱をもたらす? ”ライオン”の新たな希望とは?『ライオンの隠れ家』第6話考察レビュー
新しい約束は「3人で笑顔で暮らすこと」
焦る洸人に救いの手を差し伸べたのは、牧村(齋藤飛鳥)だった。 かつて保育士をしていた牧村は、担当していた園児の身体にアザができていることに気付きながらも虐待を止められず死なせてしまったという過去を持つ。その弱みにつけこまれ、柚留木の指示に従っていたことを洸人に打ち明けた。 洸人にぽつりぽつりと語る姿、保育士時代にその園児からもらった折り紙を握りしめ泣く姿が印象的だった。物語序盤の“子ども好きな市役所の同僚”と比較すると、一気に雰囲気が変わった。齋藤飛鳥は、悲しみを背負った役がぴたりとハマるから不思議だ。 洸人と牧村はライオンのために洋服を大量に買い込み、髪型を変えさせた。良くも悪くも素直に感情が出やすい洸人のそばに、機転の利きそうな牧村がいてくれるのは安心かもしれない。 そして、ライオンのお母さんが帰ってくるまで、「3人で笑顔で暮らすこと」を洸人とライオン、そして美路人(坂東龍汰)3人の新しい約束とした。きっとこの約束は、ライオンにとって新しい希望になるだろう――。 そう思った矢先、山梨県にいる祥吾は愛生と洸人ら小森家のつながりに気付いたようだ。とても穏やかとはいえない表情で、手紙や写真を投げ捨てる。あぁ、こんな顔で、愛生やライオンを殴っていたんだろうか。ぞっとする。 ここからどんな手を使って祥吾がライオンを取り返しに来るのか。向井理が表現する狂気に触れるのが怖いような、早く観たいような、何とも言えない気持ちで次回の放送を待ちたい。 【著者プロフィール:あまのさき】 アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
あまのさき