これまで発売したフレーバーは60種類以上!冬の定番アイス「雪見だいふく」の人気の理由に迫る
冷たいアイスと柔らかなおもちの絶妙な組み合わせで愛され続ける「雪見だいふく」。その誕生は、「秋冬に楽しめるアイスを作りたい」というひとつの願いから始まった。 【写真】雪見だいふくの前身となる「わたぼうし」 1981年の誕生から40年以上にわたる進化の中で、「雪見だいふく」は伝統と革新を織り交ぜながら日々成長しており、おいしさの追求は2024年現在でも進行中だ。 今回は、株式会社ロッテ マーケティング本部 第一ブランド戦略部 アイス企画課の中田朱郁さんに、「雪見だいふく」の誕生秘話や味わいへのこだわり、そして累計60種類以上にもわたる商品の展開について話を聞いた。 ■はじまりは「わたぼうし」?「雪見だいふく」誕生秘話 「雪見だいふく」はバニラのアイスをふっくらやわらかいおもちで包んだ冷菓で、もちもちの食感とアイスのコクの組み合わせが人気のロングセラー商品だ。開発のきっかけとなったのは、「秋冬に食べてもおいしいアイスを作りたい」という、当時の開発者の想いだった。 「『雪見だいふく』の発売年である1981年ごろは、冷夏の影響でアイスが売れずに市場が落ち込んでいました。アイスメーカーとして後発組だったロッテは、アイス市場で勝負をするために、『冬に食べる』アイスを開発することにしました」 実は、「雪見だいふく」の前に開発された前身の商品があった。それが「わたぼうし」だ。これは当時の開発担当者が全国の銘菓を買いまわって開発のヒントを探していたなかで出合った、マシュマロで餡を包んだ福岡の「鶴乃子」という商品からヒントを得て誕生。そのため、「わたぼうし」はマシュマロでアイスが包まれていた。 「わたぼうし」は発売後すぐヒットしたが、「さらに国民的なアイスを目指したい」という思いからマシュマロをもちに変更し、日本人になじみ深い大福タイプに切り替えることに。パッケージやCMも雪景色を思わせる世界観にして発売を開始。すると瞬く間に大ヒット商品になった。 ■「おもち感を極めるために…」隠された数々のこだわり 冬の定番アイスとして地位を確立している「雪見だいふく」。人気の秘密はおもち部分の食感にあった。一般的なおもちは冷凍すると固くなってしまうが、「雪見だいふく」に使用されているおもちには、厳選された羽二重粉が使われているため、“弾むぷにぷに食感”が実現できている。 「発売から現在まで、滑らかでやわらかいつきたてのおもちを目指しています。昔の商品ではまぶしてある粉がこぼれ落ちていました。ですが、米粉自体の品質を改良したことで、トレイにくっつきにくく食べやすくなっています。また、昔はもちの表面にへそがあったのですが、配合や機械の進化でへそをなくすことに成功しました」 「雪見だいふく」はまだまだ発展途上の段階。さらなるおいしさを求めて進化を続けている。中田さんは「おもちの食感とアイスの味わいのバランスを大事にしながら、何年経っても変わらない安心感を目指しています」と話す。 「雪見だいふく」(2個入り)は長らく秋冬限定の発売だったが、2018年より「1年中食べたい」という消費者の声を受けて通年販売に。その結果、秋冬の寒い時期だけでなく春夏の売り上げも順調に伸びているようだ。毎日仕事終わりに買って、「夜のごほうび」「ルーティン的な存在」と食べ続けるファンもいるのだとか。 「40年以上が経過して誰もが1度は口にしたことのあるなじみ深いアイスに成長し、『初めて食べたころの記憶があるアイス』として皆様の心に残るブランドになりました。ぜひ、初めて『雪見だいふく』を食べたときのことを思い出してみてください!」 ■これまで発売した商品は60種類以上!進化し続ける「雪見だいふく」 「雪見だいふく」は定番のバニラだけでなく、フレーバー品も含めてこれまで60種類以上もの商品を展開している。当初はよもぎ入りの草もち包んだ「月見だいふく」や梅じそ風味のおもちで包んだ「梅見だいふく」など、日本人に寄り添うような和風の商品を展開していたという。 しかし、2006年に「雪見だいふく 生チョコレート」を発売すると、生チョコレートのソースとおもちの組み合わせが大ヒット。その後はティラミスやプリンなど、フレーバーの可能性を広げて展開していった。また、「桔梗信玄もち」や「白い恋人」などの各地の名産とのコラボもSNSを中心に話題となった。 そしてこの冬は、フルーツ大福のような贅沢な味わいが楽しめる「雪見だいふくPREMIUMマスカットオブアレキサンドリア」が期間限定で登場。果実の味わいの感じられるマスカットソースを緑色のおもちで包んだフルーツ大福仕立て。フルーツの味わいとアイスとおもちの相性のよさを堪能できるので、ぜひ手に取ってみてほしい。 「今後も枠にとらわれずに、さまざまな商品展開に挑戦していきたいです。お客様からのリクエストもたくさんいただくので、叶えられるものはぜひ積極的に実現していきたいと思います。ご飯がどんなおかずとも合うように、おもちもどんな味わいとも合う万能の選手なので、ぜひ画期的な組み合わせを考案していきたいです」 最後に、中田さんに今後の展望を聞いた。 「お客様とのコミュニケーションを通して、さらに『雪見だいふく』を進化させていきたいですね。商品の持つ『変わらない安心感』をこれからも守り続けながら、新しい提案をしていきます。そして、日本人だけではなく、世界中の人々に寄り添うブランドに成長させていきたいです!」 「雪見だいふく」は40年以上にわたり「変わらない安心感」と「新しい驚き」を多くの人々に提供し続け、今や多くの人々の心に残る存在となっている。今後も季節や国境を越え、伝統と革新を体現するアイスとして成長し続けるだろう。私たちの日常に寄り添い、ほっと一息つける存在として、「雪見だいふく」のさらなる展開が楽しみだ。