給与明細にある「共済会費」。毎月一定の額が天引きされているのですが、これはどういう費用なのでしょうか?
毎月の給料から天引きされている項目の一つに「共済会費」が含まれており「なんのための費用なのかよく分からない」という人もいらっしゃると思います。 共済会費を支払っていることで、どのようなメリットがあるのかとか、そもそも給料から天引きされても問題のない項目なのかなどについて確認しておきましょう。 本記事では、共済会費の意味や目的、保険との違いなどについて詳しくご紹介します。
共済会費とは?
「共済会」という言葉は、昔からよく耳にすることがあると思います。共済会は「相互扶助」の考え方から成り立っており「みんなでお金を出し合って共同の財産を準備して、組合員やその家族に何か起こったときに、そのお金を受け取れるようにする」というものです。 具体的には、以下の事態が起こった場合に共済金が提供されます。 ・死亡 ・疾病 ・傷害 ・年金 ・介護 ・火災 ・風水害 ・地震 ・盗難 ・車両損害 ・対物賠償 ・対人賠償 など 福利厚生費として、共済会費を集めている企業も多いようです。企業側がより手厚い福利厚生を設定できて、従業員も運営にかかわることで、福利厚生を利用しやすくするなどのメリットがあります。
保険と何が違うのか?
「何かあったときのためにお金を積み立てておく」という点では、共済も保険も同じように感じますが、監督官庁と、根拠となる法律に違いがあることが特徴です。 保険の場合は「保険業法」と「会社法」という法律のもとで成り立っています。一方で共済は、協同組合の種類ごとに根拠となる法律が異なります。共済事業を実施している主な協同組合ごとに、根拠法と根拠法の所管庁を表1にまとめました。 表1
※一般社団法人日本共済協会「共済について 共済Q&A Q8 協同組合はどんな法律に基づいて設立され、共済事業を実施しているのですか?」を基に筆者作成
給料から天引きしてもよい項目なのか?
共済会費が毎月給料から天引きされていることに問題はないのかと、気になる人もいるでしょう。 労働基準法第二十四条では、給料は直接労働者に、通貨でその全額を支払うように定められており、原則としては天引きされることなく、全額が支払われなければならないと考えられます。 しかし、ただし書きには「書面による労使協定により、賃金の一部を控除できる」という内容の記載があるため、労使協定があれば、共済会費を給料から天引きすることが可能とされています。