亀梨和也、40歳目前で「自分が抜けていることをやっと納得し始めました」
東野圭吾のベストセラー小説を連続ドラマWで実写ドラマ化した『ゲームの名は誘拐』。本作で、主人公である広告代理店の敏腕プランナーを演じたのが亀梨和也だ。亀梨にとってWOWOWドラマで主演を務めるのは、2022年放送の『連続ドラマW 正体』以来2度目となる。徹底的にこだわり抜くスタッフに「感謝しかない」という亀梨が、撮影を通じて感じたことや自身の役へのアプローチ方法、さらには俳優としてのスタンスの変化などを語った。(取材・文:磯部正和) 【動画】「ゲームの名は誘拐」第1話まるごと配信 ■人って計り知れない側面があると思う 亀梨演じる佐久間駿介は、広告代理店の敏腕プランナー。手掛けていた大型プロジェクトの途中で突然降板させられたことを機に、自分をプロジェクトから引きずり下ろした大企業の副社長に一矢報いるため、誘拐ゲームを仕掛ける。 亀梨は連続ドラマでありながら、結末までの脚本を渡されての撮影に「最後まで分かったうえで作品に入ると、キャラクターを構築するうえでいろいろなプランを立てられる」と、より作品を俯瞰して役柄にアプローチできるメリットを挙げる。 さらに『連続ドラマW 正体』で、WOWOWの制作チームと時間を共にしたことも、亀梨にとっては大きかったようだ。「『正体』のときに、監督を含めスタッフさんと本当にいろいろな話をさせていただいたんです。今回もそれは同様で、キャラクターの髪形一つもそうなのですが、どういう服を着ているのか、どういう車に乗っているのかなど、僕もいろいろとアイデアを言わせていただいて、親身に寄り添っていただけたので、初日からスッと佐久間という人間になれた気がします」。 やり手の広告プランナーという役柄。亀梨自身もCMの撮影などで、広告代理店の人間と接することも多い。亀梨は「ビジュアルなどを共有する意味で、こういう人……みたいなイメージはありましたが、特別誰かをモデルにして役を作っていった感じではないですね」と語ると「なんとなく自分のなかで、相手にモノを伝える部分で、ボディランゲージではないのですが、手の動きは意識しました」とワンポイント加えていたことを明かす。 また佐久間は理不尽にプロジェクトから排除され、プライドを傷つけられ、復讐という行動に出る。亀梨は「人って計り知れない側面があると思う」と切り出すと「世の中に起こる様々な事件を目にしたとき、自分がその状況だったらどうなるんだろうということは考えます。例えば目の前に自分が頼んでいないご飯があるとします。もちろん手は付けません。1週間何も食べていなかったら……それでも我慢する。でも1か月何も食べていなかったら、それを我慢できないかも……と想像するんです。そんな弱さは持っているだろうな……と」と人の多面性に触れる。 人間としての弱さを自覚したうえで、亀梨は「ではそういう状況にならないようにどうしたらいいのかという工夫はしていかなければいけないなと思っています」と想像力の大切さを述べる。丁寧に想像することで、佐久間という人物に寄り添い形作っていったという。