〈男の終活〉「DVD8000枚を2トントラックで運んで数百万円に」“死後の恥”を未然に防ぐだけでなく遺族の悩みまで解決「男の終活」サービスに買取り依頼が殺到するワケ
自分の死後、遺された家族に迷惑がかからないよう生前に身辺整理を行う「終活」。今や高齢者の常識となってもいるが、そんな終活における異色のサービスが話題だ。北関東を中心に33店舗を展開する「利根書店」は、「男の終活サービス」と称して、セクシーDVDの買取りサービスを行なっているという。同店を運営する株式会社プリマベーラの広報プロデューサー・亀井彬氏に話を聞いた。 【画像】1年間で160万本の買取りがあるという「男の終活」サービス
まるでオトナの娯楽のデパート
――ここ利根書店深谷店(取材店舗)は、大きいですね。学校の体育館くらいの広さの店内に、書店なのに、本やDVD以外にアダルトグッズも豊富に揃っていますね。 亀井彬(以下同) 扱う商品の多くがアダルト関連の書籍、DVD、グッズです。アダルトDVDの他にもTENGAやラブドールといったアダルトグッズ、あとバイブローター、ローション、コスプレ用の衣装なんかもあります。書店としては珍しいですね。 ――アダルトのリユース品には、懐かしさもあって、ついつい見入ってしまいます。とても1日で回りきれないですね(笑)。 かつてお世話になった女優たちのパッケージに思わず足を止めて、ノスタルジーに浸るお客さんも多くいますね。もう2度と見ることはないと諦めていたお宝作品に出会う可能性もあるので、軽く1~2時間探して帰るお客さんもいます。
終活における大人アイテムの難題
――どんなお客さんがいらっしゃるんですか? 40~70代が7割。そのうち男性が9割で、女性やカップルが1割といったところです。40~50代ですと比較的まじめでおとなしそうな方が多いですね。会社帰りに来てくださるサラリーマンもいます。 お年寄りにも多く来店していただいていて、散歩のコースに入れてくださっている方や、朝10時の開店前に来て、オープン待ちをしてくださる方もいます。 高齢の男性の中には、店長と話をするのが楽しみで毎日のように来店してくださるお客さんがいました。毎回DVDを買っていたのですが、数年後、そのお客さんが亡くなられた際に、多くのDVDが未開封だったことを奥さんから聞きました。会話のために律儀に毎回購入されていたわけです。忘れられない思い出ですね。 ――さて本題ですが、「男の終活サービス」とはどういったサービスなんですか? 家族に内緒でコレクションしていたアダルトDVDの処分をお手伝いするサービスです。お客さんの手元にあるDVDを買取り、再販します。 終活の一環ということでご本人からの依頼のほかに、亡くなった男性の遺族から「遺品に大量のアダルトDVDがあるが、どうしたらいいかわからない」というお問い合わせが月に何件もあるんです。 数が多いとゴミとしてそのまま出すわけにもいかず、といって通常のリユース店もなかなか引き取ってくれないので、遺された家族は相当心理的負担が大きいのです。 ――買取りは店舗への持ち込みの他、どんな方法があるんでしょうか? 2015年より、インターネットで登録し自宅から宅配便で送るという買取りサービスを本格的に始めました。来店が面倒くさい、対面だと恥ずかしいという方でも気軽に利用していただけます。 ダンボールを用意してもらって、それに入れて送ってくださるだけで査定、入金が可能です。こちらからダンボールをお送りすることもできますし、その際の送料や梱包キッドの料金も無料です。DVDに傷があっても買取りしています。 ――反響はいかがですか? 男の終活だけで集まったわけではありませんが、1年間で160万本の買取りを行っています。中古が96万本、新作が64万本です。