〈男の終活〉「DVD8000枚を2トントラックで運んで数百万円に」“死後の恥”を未然に防ぐだけでなく遺族の悩みまで解決「男の終活」サービスに買取り依頼が殺到するワケ
残された家族に降りかかる災難
――お客さんはどんなことがきっかけで男の終活を? 基本的には、年を取り、自分が生きているうちに家族にバレずに売りたいというお客さんが多いです。介護施設や老人ホームに入所する前に処分したいとか、親族との同居をきっかけにという方もいました。 ――本人ではなく遺族からの依頼も少なくないということですが……。 旦那さんが亡くなったときに、大量のAVが突然目の前に現れて、どうしたらいいかわからず、半ばパニック状態の女性が相談が来ることもあります。10~20枚程度なら処分もできますが、何百、何千という単位になると、お手上げです。 電話口でホッとしたのか泣いているご婦人もいました。「助かりました」という声もよくいただいています。それだけ心理的負担が大きいんです。 ――印象に残っている依頼はありますか? 40代の男性からDVDを8000枚を買取りました。叔父さんのコレクションで、病気で入院したときにお見舞いに行ったところ処分を頼まれたそうです。叔父さんが亡くなったタイミングで連絡をくれたんですが、お葬式までに親戚に知られないように処分したいとのことでした。 通常、出張での買取りサービスは行なっていないのですが、叔父さん、甥っ子さんがともに常連で、店からご自宅までが近かったので特別に受け取りに行きました。2トントラックで運ぶほどの量でした。 ――8000枚はどうやって保管されていたんですか? 1人暮らしをされていて、家の2階に置いてあったそうです。私たちが行ったときには、すでに100円ショップで売っているシューズケースにDVDが収められて、玄関からキッチンまで続く廊下にずらりと背丈くらいの高さまで埋め尽くされていました。作業をしている途中、近所の方がお線香を上げに来て、「バレてしまう!」と慌てましたね ――最高は何枚ですか? 1万4000枚ですね。ダンボールで70箱でした。旦那さんが亡くなってから、奧さんと娘さんが発見して、相談してきました。そのままDVD店ができるレベルの数でしたね。100万円を超えるくらいの買取り価格になりました。