最強の「GRスープラ」が欲しければレーシングカーはいかが? トヨタが新型「GRスープラ GT4 EVO2」を発売。
TOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)は8月22日、パフォーマンス、信頼性、操作性を向上させたカスタマーモータースポーツ車両「GR スープラ GT4 EVO2」を発売した。これまで500回以上も表彰台を経験したGT4 EVOがさらに進化を遂げ、2025年シーズンに挑む。 【写真】超カッコイイ! GRスープラ GT4 EVO2のブラック&ホワイトボディ画像がこちら(全18枚)
パフォーマンス、操作性が大きく向上
TGRは8月22日、世界中のレーシングチームやドライバーから集めた多くのフィードバックを活用し、パフォーマンス、信頼性、操作性を向上させたカスタマーモータースポーツ車両「GR スープラ GT4 EVO2」(以下EVO2)を発売した。 GRスープラ GT4は2020年の発売以降、累計販売台数は120台に到達。これまで11の国や地域のGT4シリーズ戦、および国際レースで勝利、500回以上表彰台を獲得し、アジア、アメリカ、ヨーロッパの3地域でクラス別シリーズチャンピオンの座に輝いている。 2023年シーズンの「GRスープラ GT4 EVO」へのアップデートでは、ブレーキ、ハンドリング、エンジンのパフォーマンスを向上させ、様々な経験レベルのドライバーにとって運転しやすいクルマに仕上げたものの、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」に終わりはなく、その後もレースという極限状態でしか得られない貴重なフィードバックを開発に生かした「ドライバーファーストのクルマづくり」を進め、2025年シーズンに向けてさらにパフォーマンス、信頼性、操作性を向上させた「EVO2」を導入することになった。
欧州での価格は約3200万円?
EVO2のボディサイズは、全長4460mm、全幅1855mm。高剛性ロールケージ付きスチール及びアルミボディには120Lの燃料タンクを装備し、OMP製レーシングバケットシートと6点式シートベルトを装備する。パワーユニットは2988ccの直列6気筒ターボエンジンで、最高出力、最大トルク(約660Nm)はSRO(主催者)のBOP(性能調整)に基づいたものとなる。 具体的な変更点は、タイヤの種類、摩耗状況やコースコンディションに応じて最適なブレーキングとコーナリングができるようにABSのマップをきめ細やかに再チューニング。さらにソフトのアップデートにより回転数制御のさらなる見直しを行うことでシフトダウン時間を短縮した。これによりブレーキング時の減速コントロール性を改善し、コーナリングスピードが向上した。 また、エンジン、ブレーキ、ドライブトレインの各冷却性能の向上に加え、コックピット温度の最適化を図ることで、過酷なコンディションでも運転しやすく、高いパフォーマンスを維持し続けられように改善した。これらの改良により、プロドライバーだけでなく、世界中のGT4レースに意欲的に参戦するアマチュアドライバーも運転しやすいクルマに仕上がっている。「EVO2」は2025年1月、デイトナ24時間レース併催のIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジの第1戦で世界デビューする予定だ。 各地域におけるGT4車両の販売及びカスタマーサポート(スペア部品の販売やユーザーへの技術サポート)は、欧州はTOYOTA GAZOO Racing Europe GmbH、北米はTRD U.S.A., INC.、日本・アジアは株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメント、中国はToyota Motor (China) Investment Co., Ltd.が担当。価格は20万2000ユーロだが、為替レートや輸送費のほか様々な状況により総合的な判断を行うため、地域ごとに価格が異なるという。 SPECIFICATIONS トヨタ GRスープラ GT4 エボ2|TOYOTA GAZOO Racing GR Supra GT4 EVO2 ※以下は欧州仕様(プロトタイプ)の参考値 ボディサイズ:全長4460×全幅1855mm エンジン:直列6気筒ターボチャージャー 排気量:2998cc 最高出力:SROのBOPによる(SRO BOPの調整にはUSBパワースティックを使用) 最大トルク:660Nm(SROのBOPによる) 価格:20万2000ユーロ(3194万2260円 1ユーロ=158.13円で換算)
文=原アキラ 写真=トヨタ