亡き老親が長年使ってきた「預金口座」…子どもが引き継いで使うことは可能?【相続専門税理士が解説】
相続した車の名義を変更する方法
自動車も、相続するにあたっては名義変更の手続きが必要です。 自動車の名義変更は、新たに所有者となる相続人の住所地を管轄する運輸支局で手続きしますが、自動車保管場所証明書を取得してから1ヵ月以内に手続きしなければいけないため、注意が必要です。 売却や廃車を選択する場合も、一旦は相続による名義変更が必要になります。 手続に必要な書類は「戸籍謄本」と「住民票」です。被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本と住民票の除票、そして、すべての相続人の戸籍謄本が必要です。 自動車は複数人による所有が法律で認められています。相続人全員で共有相続する場合は遺産分割協議書は不要ですが、相続人のうちの1人が相続する場合は遺産分割協議書が必要となります。いずれにしても相続人全員で実印を押すことになるため、全員の印鑑証明書も必要です。 自動車関連の書類としては、自動車検査証、保管場所証明書が必要です。また、運輸支局のホームページから申請依頼書をダウンロードして記入しておく必要があります。 自動車の名義変更の必要書類 ●自動車検査証 ●相続人の自動車保管場所証明書 ●申請依頼書 ●手数料納付書(検査登録印紙を添付) ●自動車税申告書 ●代理人に委任する場合は委任状
預金口座、解約せずに「名義変更」という選択肢も
公的機関での手続きではありませんが、銀行預金口座の名義変更についても解説しておきましょう。 被相続人の銀行預金口座は、解約して預金を払戻すことも、継続して使うことも可能です。継続して使う場合は、口座の名義変更を行います。いずれにしても、相続人が手続きをする必要があります。 銀行預金口座の名義変更に必要な書類は、金融機関によって多少は違いがあるものの、必須となるのは「遺産分割協議書」です。相続人全員で実印を押すため、ここでも全員の印鑑証明書が必要です。ほかと同様に、戸籍謄本と住民票も必要です。被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本と住民票の除票、そして、すべての相続人の戸籍謄本です。また、通帳とキャッシュカードがあれば、それも提出する必要があります。 銀行預貯金口座の名義変更の必要書類 ●遺産分割協議書 ●被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本 ●すべての相続人の戸籍謄本 ●すべての相続人の印鑑登録証 ●相続手続依頼書 ●被相続人の通帳、キャッシュカード 岸田 康雄 公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)