〈シチズン〉とニックネームの話。
“スモウ”だとか、“ザリガニ”だとか。海外の時計マニアたちは、ニックネームを付けるのが有吉並みにうまい。〈シチズン〉の「プロマスター エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー300m」なんて、怪獣ばりに異様で巨大なケースを例えて“エコジラ”と命名するあたり、思わず座布団を1枚進呈したくなるほどである。ちなみに写真の「プロマスター エコ・ドライブ ダイバー200m」の愛称は、“オルカ”。2006年、海外で販売されたシチズンダイバーズの隠れた名作であり、見るからにオルカ(日本名シャチ)なのが面白い。カルト的な人気を受けて昨年、逆輸入的にリニューアルされたが、確かにこれは海の向こうのギークが渇望するのも無理もないほどにグッドデザインだ。 SMALL WATCH TALK
インフォメーション
白い楕円型のインデックスは、なんと海から顔を覗かせるシャチがモチーフ! ぷっくりした時針もその体つきを想起させる。光発電エコ・ドライブなので、フル充電で最大6か月駆動。ケース径46㎜。¥66,000(シチズン/シチズンお客様時計相談室☎0120·78·4807)
BRAND STORY
1918年創業の〈シチズン〉は、昭和天皇が愛用したことで有名。ダイバーズウォッチの性能の高さにも定評があり、’77年に登場した「チャレンジダイバー」は、海底に沈みフジツボに覆われた状態でも時を刻み続けたという逸話を残す。 photo: Tetsuo Kashiwada, illustration: Dean Aizawa, text: Koji Toyoda(2023年12月 920号初出)
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