建設業界の「2024年問題」、建設業従事者の約7割が制度を認知 一方、残業抑制効果の実感はわずか2割
アンドパッドは、建設業界においても2024年4月から施行となる「時間外労働の上限規制厳格化」に関して、幅広い職種で勤務する20~69歳の建設業従事者に対し、「認知・対応状況に関する独自調査」を実施し、その結果を公表した。
■制度認知と取組の現状
「時間外労働の上限規制厳格化」の認知度は67.1%。特にゼネコンでの認知は高く、81.0%以上が制度を認知していると回答。残業抑制への取組状況も全体の43.9%が取組んでいる状況だが、効果を実感している人は23.4%となった。
また、残業を45時間以上行っている人のうち、50.7%以上が残業を減らすための取組を行えていないと回答。
残業抑制への取組内容としては、労働時間の管理・残業時間の管理、週休2日制の導入などを行っている企業が多いという結果に。また、DX化(業務効率化のためのITツールやシステムの導⼊)については、約4割の人が行いたいと回答した。
■実際の業務内容と稼働時間
日常の業務のうち、1日3時間以上「現場での作業・監督業務」を行っている人は約30%、「報告書・図面・見積もりなどの書類作成」を行っている人は約25%となった。また、削除したい業務は、「報告書・図面・見積もりなどの書類作成」がトップに。
「報告書・図面・見積もりなどの書類作成」は、業務効率化により「現場での作業・監督業務」などのコア業務への集中が可能になるため、さらなる品質向上や安全性の確保が可能になるのではないかと同社は考察している。
■業務効率化における経営層のDX化への考え
時間外労働の上限規制に対応するうえで、DX化について、経営層の49.2%が重要と考えていることが分かった。
■取組内容
制度対応に向け導入した方が良い取組として、「DX化」「テレワークの導⼊」「残業に関するヒアリング」は、経営層と⼀般社員・管理層のスコア差が⼤きく、現場からの要望が高いことが明らかに。
また、導入した方が良いシステムとしては、経営層と⼀般社員・管理層ともに「施⼯管理」のスコアが⾼いが、⼀般社員・管理層の方がスコアが高く、経営層よりも現場からの要望が高い結果となった。