「寿司といえば、富山」なのに…空港名物店休業続く 人手不足、再開めど立たず
●廻転(かいてん)とやま鮨(ずし)、5月から 富山空港で2014年2月から営業してきたすし店が5月に休業し、再開のめどが立っていない。運営会社によると、店主がやめ、予定していたリニューアル店は人手不足を理由に「準備中」となっている。富山県が「寿司(すし)といえば、富山」をキャッチフレーズにPRする中、「空の玄関口」にある名物店の休業は、県にとっても痛手で、航空政策課は「一日も早く再開してほしい」としている。 【写真】休業したすし店がテナントで入る富山空港 「廻転(かいてん)とやま鮨(ずし) 富山きときと空港店」は地元産の魚介類や地酒を提供し、内装に八尾和紙や井波彫刻などの伝統工芸品を使い、富山の魅力を伝えていた。 リニューアルの準備を進める富山市の飲食店運営会社によると、店主の種口英輝さん(53)が立山町に新しい店を出すため、とやま鮨をやめた。種口さんは「10年間、富山空港ですしを握らせてもらい、良い経験をさせてもらった」と話した。 5月7日からとやま鮨は休業となり、7月1日に営業再開の予定だったが、職人や従業員を確保できず、延期となっているという。 ●国内外の客に好評 富山空港ターミナルビルによると、とやま鮨は気軽に立ち寄ってすしを食べることができ、国内外の空港利用客から好評だった。種口さんの握るすしを目当てにする全国からのリピーターも多かった。コロナ禍で空港の利用が制限される中で店は繁盛していた。 ターミナルビルには営業再開時期を尋ねる問い合わせがあり、担当者は「すし店は富山空港に欠かせない魅力の一つで、再開するのを待っている」と話した。 県は昨年度からすしを前面に押し出しイメージ戦略を進めている。今年6月にはSNS(交流サイト)で影響力が強い「インフルエンサー」らを招き、イベント「すしコレクション」を開催し、県民にも家族ですしを食べることを呼び掛けている。 ●県「早く営業を」 富山駅構内や駅周辺のすし店は観光客でにぎわっており、県航空政策課の担当者は「富山の玄関口においしいすし店があることは大事。富山空港の店には早く営業してもらいたい」と話した。