ジャニーズの深刻な「スポンサー離れ」 原因は東山紀之新社長の就任記者会見にあった 影響はCMだけでなく「番組」に及ぶ恐れも
会見全体が企業側に与えた第一印象は必ずしも芳しいものではなかったとみられる。 東京海上日動火災保険は会見があった7日の夕、事務所との広告契約の解除を検討していると明らかにした。アイドルグループ「嵐」(活動休止中)の相葉雅紀さんを広告に起用していた。 7日夜には日本航空も動いた。「適切な対応が取られるまでの間、広告への起用を見送る」と表明。かつては嵐のメンバーの写真を塗装した航空機「嵐ジェット」を用意するほどに密接なつながりがあった。 ▽「広告展開は可及的速やかに中止」 会見翌日の8日には、ビール大手のアサヒグループホールディングスとキリンホールディングスが、新たな広告や販促を展開しない方針を示した。 キリンについては、8月30日時点の取材では「すぐに取引関係をやめるのではなく、被害者の救済・再発防止を促す」との立場だった。それが10日もたたないうちにこう変わった。「現在起用しているタレントの契約満了をもって、今後起用しない方針とした」
週明けの11日には、サントリーホールディングスが契約見直しの方向性を打ち出し、日本生命保険が今後は広告契約を結ばない方針を示した。木村拓哉さんを起用してきた日産自動車がこの流れに続いた。その後も、花王が自社サイトに「ジャニーズ事務所所属タレントを起用した広告・販促物等の展開は可及的速やかに中止する」と公表。ジャニーズ離れは止まらなくなった。 なお、東京海上日動火災保険はその後の取材に、契約は更新しないことに決定し、所属タレントの広告使用は停止したと表明した。 ▽板挟みに遭っていたスポンサー 1回の記者会見でなぜこれほど態度が変わったのか。広告・マーケティングが専門の西山守桜美林大学准教授に話を聞いた。 西山氏は、世論についてのこんな説明から始めた。「一つは『タレントには罪がないので起用しないのはおかしい』という意見がある。もう一つには『不祥事を起こしながら、責任を取っていない企業をもうけさせるのはおかしい』という意見がある」