「私はパルコキッズ、生活の中心だった」街の誇りだった松本パルコの閉店まで半年 40年間の感謝伝えるイベント開催へ
2025年2月末の松本パルコ(長野県松本市)の閉店まで残すところ半年となり、オープンから40年間の感謝の気持ちを伝えるイベントを開こうと市民有志が実行委員会を立ち上げました。 「多大な貢献、ありがとうという気持ちを伝えるためにという考えに賛同し、会を立ち上げました」 こう語るのは「ありがとう松本パルコ実行委員会」の代表となった男性です。29日午後、松本パルコで設立を報告する会見を開きました。 松本パルコは1984(昭和59)年8月に松本駅から徒歩10分の場所にオープン。県庁所在地では無い地方都市に「パルコがある」ことは街のイメージアップにもつながり、国宝・松本城と並ぶ市民の誇りとされた時代もありました。 しかし、大型ショッピングセンターの進出や消費者のし好の変化などで「街の顔」としての地位は徐々に低下し、2025年2月末をもって閉店することになりました。 実行委には現時点で約20の団体と70人の個人が参加していて、設立メンバーはオープン以来40年間、共に歩んだ歴史に思い入れのある人たちばかりです。 実行委員: 「私たちの世代ではパルコは全ての生活の中心だったと思う。セールに行ったら長蛇の列でみんな何時に並んだんだろうという感じだった」 「私はパルコに育てられたパルコキッズ。アートやカルチャーを供給してくれるインフラみたいなものだった」 「ありがとう松本パルコ実行委員会」では、かつて出店していたテナントから集めた昔の写真展や思い出を語るパーティーの開催など、店の記憶をあらためて胸に刻む機会を作りたいということです。 一方、パルコが撤退した後の店舗に公共施設を入れようとした松本市の構想は頓挫し後利用はまだ決まっていません。パルコ閉店から1ヵ月後の2025年3月末には地元の老舗である井上百貨店本店の閉店も決まっています。 こうした現状を打破しようと、松本市や商工会議所などは29日、中心市街地の活性化に向けて、「商都松本にぎわい発信プロジェクト実行委員会」を設立しました。 2つの団体は、にぎわいの創出に向けたイベント開催などで連携していく予定です。
長野放送