“廃鶏グルメ”で村おこし!「大好きな豊根村に住み続けたい!」パワフル女社長の奮闘記
3年前に愛知県で販売し、いまや全国に広がった豊根村発のローカルグルメ「廃鶏(ハイケイ)」。今まで村民の間でしか食べられてこなかった「廃鶏」がなぜ、これほど全国区になったのか。「廃鶏」の販路を全国に拡大し、わずか3年で売上を約40倍に伸ばした、若き女社長に密着。“やれることは全部やらないと”と類いまれなる行動力で突き進む思いには、豊根村への愛が溢れていた。
愛知県豊根村発のローカルグルメ「廃鶏」とは?
豊かな自然に囲まれた、人口約960人の小さな村・豊根村。この村で生まれたローカルグルメ「味付け廃鶏(ハイケイ)」が、今話題を集めている。 “廃鶏”とは、卵を生み終わった親鶏のことで、柔らかな若鶏とは対照的に歯ごたえがあり、コリコリとした食感が特徴。この「廃鶏」を秘伝にタレにつけ込んだものが「味付け廃鶏」だ。地元民からは、“噛めば噛むほど味が出る”、“ご飯片手に、ビール片手に廃鶏をかき込むのが最高!”など、多くのラブコールが寄せるなど地元民溺愛のソウルフードだ。 おいしさの秘密は、みそ・しょうゆをベースに、リンゴやニンニク、砂糖などを混ぜ合わせた“秘伝のタレ”。ガツンと濃い味付けの秘伝のタレを、食べやすく切った廃鶏に染みこませて仕上げていく。
この「味付け廃鶏」を全国に売り出したい!と一念発起したのが、名古屋市から豊根村に嫁いできた胡桃珠音さん26歳。いまや廃鶏グルメの販路を全国に拡大し、わずか3年で売上をおよそ40倍に伸ばしたパワフル女社長だ。 明るい笑顔で周りを巻き込み、道を切り開いてきた珠音さん。しかし、全国展開に至るまでは、さまざまな壁があった。 “ソウルフード「味付け廃鶏」をどうしても全国に売り出したい” 固い決意で奮闘する彼女の3年間に密着した。
“廃鶏の唐揚げ”で物産展出店に挑戦
「いらっしゃいませ、こんにちは~!お肉いかがですか~?」 密着1年目、珠音さんと珠音さんの夫・芳太郎さんは、名古屋市の「オアシス21」の物産展にいた。冷凍肉として販売していた「味付け廃鶏」を、手軽に食べられる唐揚げとしても売り出すことを開始したのだ。販売商品のメインは、廃鶏を唐揚げにした「ハイカラ」(650円)だ。 呼び込み担当は、夫・芳太郎さん。仕事では、社員として珠音さんを支えるパートナーだ。オアシス21で呼び込みを続ける夫婦だが、なかなかお客さんに立ち止まってもらうことができない。そこで珠音さんは、その場でお皿を調達。パッと見て何が売られているか分かりやすいよう、中身をディスプレイすることしたのだ。「やれることはやらないと」と、次々と唐揚げをお皿に盛り付けていく珠音さん。作戦は功を奏し、徐々にお客さんが足を止め、唐揚げを購入してもらえるように。