【飯塚事件】第2次再審請求の行方②最大の争点 最後の目撃者が証言を覆す「警察に押し切られた」 元刑事「聞いていないことを書くはずがない」検察「信用できない」 福岡
FBS福岡放送
32年前 福岡県飯塚市の女の子2人が殺害された飯塚事件。殺人の罪などで死刑が執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚の再審=裁判のやり直しを認めるかどうか、福岡地裁の判断が6月5日に示されます。第2次再審請求で最大の争点となったのが、ある女性の証言についてです。その信用性をどう評価するかが焦点となっています。 【飯塚事件】第2次再審請求の行方②最大の争点 最後の目撃者が証言を覆す「警察に押し切られた」 元刑事「聞いていないことを書くはずがない」検察「信用できない」 福岡
最後の審理を終えたこの日、弁護団は、これまで本人の強い希望で公表してこなかった、ある「証人」の存在を明かしました。 ■飯塚事件弁護団・德田弁護士 「最後に被害児童を目撃したOさんという証言者、今回の第2次再審で、そのOさんが法廷に証人として立ってくださいました。」 弁護団が明かしたOさんとは、被害にあった女の子2人を最後に目撃したとされる女性です。
警察がまとめた女性の供述調書には「事件当日の午前8時30分ごろ、車で通勤途中に女の子2人を三差路付近で見た」と記されています。 しかし、女性はその供述内容を覆したのです。 ■德田弁護士 「事件当時、警察に作られた供述調書は自分の記憶と違う。自分は事件があった日に子どもたちを見たのではない。それをその日に見たという供述調書にさせられてしまった。そういう趣旨の証言をされたわけです。」 ■岩田務弁護士 「あなたがこう言ったら全体が崩れるんですとか、そういう話で押し切られたと。」
この証言が持つ重要な意味。それは、久間 元死刑囚を犯人とした状況証拠の1つが崩れることにつながるというものです。 確定判決は、この女性の供述などをもとに、事件当日の午前8時30分ごろ、三差路付近で女の子が誘拐されたと特定しました。 同じ頃、久間 元死刑囚の車によく似た紺色のワゴン車が目撃され、さらに女の子の遺留品が発見された別の現場でも、特徴がよく似た紺色ワゴン車が目撃されたことを、久間氏を犯人とする状況証拠の1つとしました。しかし。 ■德田弁護士 「Oさんは(第2次再審請求の証人尋問の)法廷で、自分が目撃したのは当日ではないという証言をされましたので、この証言通りだということになると何が起こるかというと、誘拐場所がどこだったのかということが特定できなくなる。誘拐された時間も午前8時30分でないということになる。そうなると、三差路を通った紺色ワゴン車が事件と関係しているかどうかは、まったくわからなくなってしまう。」
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