ここにきて「石破総理」誕生説が浮上…菅と麻生の仁義なき「岸田おろし」がはじまった!
麻生太郎副総裁の思惑
政局のキーマンとしては、もう1人、首相経験者の麻生太郎副総裁(83)を挙げなければなるまい。 その麻生氏は、岸田首相がG7サミットでイタリアを訪問している最中の6月14日、東京都内で茂木敏充幹事長(68)と会談した。取材した記者に聞けば、会談は3時間半に及んだという。 2人からすれば、これまで岸田政権を支えてきたという自負がある。しかし、岸田首相と麻生氏との間には、派閥の解消問題を契機に「すき間風」が吹き、岸田首相と茂木氏の関係も、政治資金規正法の改正などをめぐって冷戦に近い状態だ。 そんな2人が、岸田首相の留守を見計らうように会談したことは、菅氏らの会合を受け、「自分たちも早く何らかのカードを持っておきたい」という思いからだと推察している。 実際、石破氏や小泉氏、場合によっては河野デジタル相(61)という「駒」が豊富な菅氏に比べ、麻生氏には「駒」がない。岸田首相が不出馬となった場合、旧岸田派に所属していた上川陽子外相(71)を担ぐかどうか、という程度だ。 自民党衆参両院の国会議員371人と地方票371票で争われる今度の総裁選挙は、おそらく下記のような顔触れになる。ここで簡単に整理しておこう。 ●岸田首相が出馬した場合 ・岸田首相、石破氏、高市早苗経済安保担当相(63)、野田聖子元少子化担当相(63) ●岸田首相が出馬できなかった場合 ・上川陽子外相(71)、石破氏、高市氏、野田氏
「辛酸をなめた」ふたりの共通項
最終的に誰が出ようと、今度の総裁選挙は、単に衆議院選挙や参議院選挙で「党の顔」となるリーダーを選ぶだけでなく、派閥が解消される中、誰が首相の背後で党運営の実権を握るのかを決定づける戦いにもなる。 そのため、横浜市議から首相にまで昇りつめた叩き上げの政治家である菅氏と、吉田茂元首相の孫で皇室とも縁戚関係にあるサラブレッドの麻生氏、もともとソリが合わない2人が躍起になるのは当然だ。 ただ、「ポスト岸田」に向け動き出した菅氏と麻生氏、2人の首相経験者には共通項があることにも着目しておきたい。 菅氏の場合は、2021年8月、自民党総裁選挙の直前に行われた菅氏のお膝元の横浜市長選挙で、菅氏が推した小此木八郎氏が大敗。 麻生氏の場合も、直接的に退陣する要因となった衆議院選挙での大敗の直前、東京都議会議員選挙で当時の民主党に完敗し、それぞれ党内に、「菅氏ではダメ」「麻生氏では勝てない」という空気が醸成されてしまったという手痛い経験がある。 岸田首相にとっては、4月の衆議院3補選をはじめ静岡県知事選挙など地方選挙で連敗が続いたことに加え、5月26日、地元・広島1区の府中町長選挙で、自民党が公明党などとともに支援した候補が、長男の翔太郎氏を応援に行かせたにもかかわらず、無所属の新人に大敗したことは衝撃的だったに相違ない。 地元での敗北や直前の地方選挙での大敗は、ときの宰相にとってダメージが大きい。そのことを肌身で感じてきた首相経験者2人は、その経験があるがゆえに、岸田首相に見切りをつけたのである。 今後、2人の動きは、自民党内で岸田首相が目指す求心力のアップどころか、岸田首相からの遠心力をさらに増幅させるものになるだろう。
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