みずほ、楽天カードに15%出資 新カードやポイント連携
楽天グループと楽天カード、みずほフィナンシャルグループは、戦略的な資本業務提携を発表した。楽天グループとみずほFGは13日付で株式譲渡契約書を締結し、楽天グループは、楽天カードの普通株式の14.99%をみずほFGに譲渡する。譲渡金額は約1,650億円。 【この記事に関する別の画像を見る】 また、決済分野における新たなビジネスモデル構築に向け、みずほFG、みずほ銀行、ユーシーカード、オリエントコーポレーション、楽天グループ、楽天カードの6社による業務提携契約も締結した。 みずほFGと楽天グループは、2023年11月に楽天証券ホールディングスとみずほ証券との間で、資産形成・資産運用分野において連携し、資産形成・資産運用分野における新しいリテール事業モデル構築で連携を進めててきた。それらを拡大し、新たな顧客獲得ルートの開拓に向け、ポイントやクレジットカードにおける連携を含めた協業検討を進めるため、楽天フィンテックエコシステムの中核である楽天カードでも連携することとした。 また楽天グループは、楽天カードとみずほFG傘下のユーシーカード、オリコとの業務提携契約を締結。両社グループの連携を強化していく。 ■ 楽天ポイント対応の提携カードやATM優遇など 提携により、個人向けでは、楽天カードとみずほ銀行が、楽天ポイントが貯まり、ATM手数料も優遇される提携クレジットカードを12月から提供。また、2025年春以降予定のみずほ銀行「みずほマイレージクラブ」のリニューアルでは、ポイントサービスでの連携などを行なう計画。 「楽天市場」では、楽天ユーザーが簡単に申し込め、即時に審査結果を得られ、繰り返し利用できる「デジタル分割払い」の導入に向けた検討を進める。また、支払手段の一つとして、楽天カードにデジタル分割払い機能を付帯させることも検討していく。 法人向けでは、楽天グループと楽天カードが保有する加盟店向け決済機能や取引データ、みずほが保有する企業向け資金繰り支援ノウハウや各種決済サービスを組み合わせ、回収業務の効率化や精算業務のDXなどのソリューションの共同展開を検討。その一環として、楽天カードと、UC、オリコの各社が、楽天グループのサービスに関わる約90万社の加盟店などの事業者に対し、より弾力的に信用供与可能な新しいビジネスカード(法人向けカード)を発行する。 また、みずほFG各社とオリコ、楽天グループの各社のクレジットカード事業におけるアクワイアリング業務やバックオフィス業務などの共通業務の効率化も検討。アクワイアイング業務では、それぞれが持つ数百万の加盟店網の有効活用として加盟店の相互開放や加盟店開拓などを模索する。加えて、クレジットカードの不正利用について、手口や対応策を両グループで共有し、クレジットカード業界全体の不正被害の削減を目指す。
Impress Watch,臼田勤哉