「食品ロス」、1人年に3万円分以上を廃棄…消費者庁など2022年度の発生量を公表
まだ食べられるのに廃棄されている「食品ロス」について、消費者庁や農林水産省などは21日、2022年度の発生量(推計)は472万トンだったと正式に発表し、経済損失は4兆円に上るとの試算も明らかにした。食品ロスによる経済損失の公表は初めて。
経済損失は、ロス分を食品の価値に換算したもので、国民1人あたり年間3万2125円相当の食品を廃棄していることになる。同庁の担当者は「消費者が食品ロスを我が事として捉え、行動を見直すきっかけになれば」としている。環境影響についても初めて試算し、ロス分の食品生産で排出される温室効果ガス(二酸化炭素換算)は、年間1046万トンだった。
22年度の食品ロス発生量は、30年度までに489万トンまで減らす政府目標を初めて下回り、8年前倒しで目標を達成した。内訳は、食品製造業や飲食店などから出る「事業系」、家庭から出る「家庭系」ともに236万トン。家庭系は21年度比8万トン減にとどまったが、事業系はコロナ禍による外食産業の市場縮小や、加工食品の賞味期限の延長などの取り組みが奏功し、同43万トン減となった。